研究実績の概要 |
本研究実施担当者の最終目標は,言語文化内に観察される伝統音楽中, 特に「となえうた(Chant)」および「わらべうた(Children's Play Song)」の形式を調査することにより, 「言語と音楽のインターフェイス」という観点から, 新たな言語の類型を提案することにある。 そして本研究は,その一環として実施するものであり, 対象言語としては,韓国語の「ソウル方言」, 「慶尚南道方言」, 「全羅南道方言」とする。具体的には, 本研究では,「となえうた」中, 「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の分析を基に, これら3方言のプロソディーの真の姿を追求し, さらにはその成立要因を言語内外に求めていくものである。 当初の研究計画では,本研究最終年の2022年度においては,新型コロナウイルス感染症の状況下の前年度までに実施することができなかった作業である,韓国全羅南道における「全羅南道方言」のネイティブ・スピーカーからの,「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の音声データ収集を実施する予定であった。 この作業は本研究にとって必要不可欠なものであるにもかかわらず,2022年度も多々の要因により実施することができず,また,前年度同様に文献収集も遅延してしまった。その結果,2022年度の研究内容としては,「ソウル方言」及び「慶尚南道方言」の過去における調査結果の再確認作業を行うのみに留まった。
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