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2020 年度 実施状況報告書

「相対補充」名詞修飾節における推論の役割に関する通言語的研究:日韓語を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20K00603
研究機関名古屋大学

研究代表者

堀江 薫  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70181526)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード名詞修飾節 / 相対名詞 / 相対補充 / 日韓対照言語学 / 語用論的推論 / 言語類型論 / 機能主義言語学 / 文法と語用論
研究実績の概要

本年度は、コロナ禍で学会や研究会の中止が一部に見られたが、本研究に関しては以下の成果発表(主要なものを選択)を行うことができた。(学会発表)「「寄与関係」の名詞修飾節における推論と明示化ー日韓語の対比をと通じてー」(李賢氏との共同発表)日本語用論学会第23回大会(11月29日、オンライン開催)(論文)・李戴賢・堀江薫 (2020)「日本語の「相対」名詞修飾節における推論の役割-『基準点』の補正に関して-」『KLS Selected Papers(関西言語学会)』,43-57.(査読あり)・クロヤン・ルイザ、堀江薫 (2020)「アルメニア語の不定形動詞による名詞修飾表現の成立に関わる語用論的要因 ― 日本語との対照を通して―」 『日本認知言語学会論文集』第19巻, 210-222. ・堀江薫・ハイ・タリー(2020)「クメール語の「外の関係」の名詞修飾現象-日本語との対比を通じてー」パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』, 263-279, ひつじ書房(査読あり)(論文集、共編著)。・パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』, ひつじ書房(584ページ)
これらの活動を通じて、相対補充の名詞修飾節に関して日本語が通言語的に有する特異性(語用論的推論の及ぶ範囲の相対的広さ)が明らかになってきた。次年度は、日本語とアルメニア語などの他言語との相対補充名詞修飾節に関する語用論的推論の及ぶ範囲の違い、言語間のバリエーションをより明確にすることを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、コロナ禍で学会、研究会の中止も一部見られたが、本研究に関しては、オンラインの学会発表、論文の出版および論文集(編著)の出版が実施できたことから、概ね順調に進展しているものと判断する。

今後の研究の推進方策

本年度は、相対補充の名詞修飾節に関して日韓語に関して行い、発表してきた研究の成果を論文化することと、日韓語以外の言語、特にアルメニア語に関して部分的に行って来た相対補充の名詞修飾節に関する調査をより体系的に行い、日韓アルメニア語の3言語における相対補充の名詞修飾節に関する類型論的対照研究を実施したいと考える。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において緊急事態宣言の発出などにより計画していた調査や学会発表のための出張を中止せざるを得ない状況が続き、予算に残額が生じた。本年度も緊急事態宣言が発出されるなど見通しが不透明な点はあるが、昨年の経験を活かし、オンラインの調査なども取り入れつつ計画を遂行していきたいと考える。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] クメール語の「外の関係」の名詞修飾現象-日本語との対比を通じてー2020

    • 著者名/発表者名
      堀江薫・ハイ・タリー
    • 雑誌名

      パルデシ・ プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』

      巻: なし ページ: 263-279

    • 査読あり
  • [雑誌論文] From Manner to Pseudo-Quotation: The Grammaticalization of Korean sik (‘style, manner’) and Japanese fuu (‘wind, manner’),2020

    • 著者名/発表者名
      Kim, Yewon and Kaoru Horie
    • 雑誌名

      KJapanese/Korean Linguistics 26 (ed. by Shoichi Iwasaki, Susan Strauss, Shin Fukuda, Sun-Ah Jun, Sung-Ock Sohn, and Kie Zuraw) , CSLI, Stanford, CA.

      巻: 26 ページ: 359-369

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語の「相対」名詞修飾節における推論の役割 -『基準点』の補正に関して-2020

    • 著者名/発表者名
      李戴賢・堀江薫
    • 雑誌名

      KLS Selected Papers(関西言語学会)

      巻: 2 ページ: 43-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルメニア語の非定形名詞修飾表現の特徴 -日本語・英語との対照を通してー2020

    • 著者名/発表者名
      クロヤン・ルイザ、堀江薫
    • 雑誌名

      パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』ひつじ書房

      巻: なし ページ: 535-553

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 名詞のカテゴリー転換に関する日本語と中国語の対照2020

    • 著者名/発表者名
      堀江薫・張雨
    • 雑誌名

      米倉よう子・山本修・浅井良策(編) 『ことばから心へ-認知の深淵―』

      巻: なし ページ: 143-153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルメニア語の不定形動詞による名詞修飾表現の成立に関わる語用論的要因 ― 日本語との対照を通して―2020

    • 著者名/発表者名
      クロヤン・ルイザ
    • 雑誌名

      『日本認知言語学会論文集』

      巻: 19 ページ: 210-222

  • [学会発表] 言語の形成過程をめぐる社会的類型化は可能か(指定討論)2021

    • 著者名/発表者名
      堀江薫
    • 学会等名
      第4回歴史語用論・歴史社会言語学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「「寄与関係」の名詞修飾節における推論と明示化ー日韓語の対比をと通じてー」2020

    • 著者名/発表者名
      李載賢・堀江薫
    • 学会等名
      日本語用論学会第23回大会
  • [学会発表] 日韓語の指示詞の現場指示用法の対照研究ー原理から外れる事例を中心に-2020

    • 著者名/発表者名
      李康元・堀江薫
    • 学会等名
      関西言語学会第45回大会
  • [学会発表] 距離中立的用法に関する日韓語の指示詞コとiの対照分析:共同注意の観点から2020

    • 著者名/発表者名
      李康元・堀江薫
    • 学会等名
      第11回日本語実用言語学国際会議(ICPLJ11)
    • 国際学会
  • [学会発表] 国「た」・「ている」の使用と「認識内/外の情報」の関わり―肯定・否定形式の成立の観点から―2020

    • 著者名/発表者名
      山田祐也・堀江薫
    • 学会等名
      日本認知言語学会第21回大会
  • [図書] 日本語と世界の言語の名詞修飾表現2020

    • 著者名/発表者名
      プラシャント パルデシ、堀江 薫
    • 総ページ数
      584
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-8234-1036-9

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公開日: 2021-12-27  

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