研究課題
本年度は、コロナ禍で学会や研究会の中止が一部に見られたが、本研究に関しては以下の成果発表(主要なものを選択)を行うことができた。(学会発表)「「寄与関係」の名詞修飾節における推論と明示化ー日韓語の対比をと通じてー」(李賢氏との共同発表)日本語用論学会第23回大会(11月29日、オンライン開催)(論文)・李戴賢・堀江薫 (2020)「日本語の「相対」名詞修飾節における推論の役割-『基準点』の補正に関して-」『KLS Selected Papers(関西言語学会)』,43-57.(査読あり)・クロヤン・ルイザ、堀江薫 (2020)「アルメニア語の不定形動詞による名詞修飾表現の成立に関わる語用論的要因 ― 日本語との対照を通して―」 『日本認知言語学会論文集』第19巻, 210-222. ・堀江薫・ハイ・タリー(2020)「クメール語の「外の関係」の名詞修飾現象-日本語との対比を通じてー」パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』, 263-279, ひつじ書房(査読あり)(論文集、共編著)。・パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』, ひつじ書房(584ページ)これらの活動を通じて、相対補充の名詞修飾節に関して日本語が通言語的に有する特異性(語用論的推論の及ぶ範囲の相対的広さ)が明らかになってきた。次年度は、日本語とアルメニア語などの他言語との相対補充名詞修飾節に関する語用論的推論の及ぶ範囲の違い、言語間のバリエーションをより明確にすることを目指す。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、コロナ禍で学会、研究会の中止も一部見られたが、本研究に関しては、オンラインの学会発表、論文の出版および論文集(編著)の出版が実施できたことから、概ね順調に進展しているものと判断する。
本年度は、相対補充の名詞修飾節に関して日韓語に関して行い、発表してきた研究の成果を論文化することと、日韓語以外の言語、特にアルメニア語に関して部分的に行って来た相対補充の名詞修飾節に関する調査をより体系的に行い、日韓アルメニア語の3言語における相対補充の名詞修飾節に関する類型論的対照研究を実施したいと考える。
コロナ禍において緊急事態宣言の発出などにより計画していた調査や学会発表のための出張を中止せざるを得ない状況が続き、予算に残額が生じた。本年度も緊急事態宣言が発出されるなど見通しが不透明な点はあるが、昨年の経験を活かし、オンラインの調査なども取り入れつつ計画を遂行していきたいと考える。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
パルデシ・ プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』
巻: なし ページ: 263-279
KJapanese/Korean Linguistics 26 (ed. by Shoichi Iwasaki, Susan Strauss, Shin Fukuda, Sun-Ah Jun, Sung-Ock Sohn, and Kie Zuraw) , CSLI, Stanford, CA.
巻: 26 ページ: 359-369
KLS Selected Papers(関西言語学会)
巻: 2 ページ: 43-57
パルデシ・プラシャント・堀江薫(編)(2020)『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』ひつじ書房
巻: なし ページ: 535-553
米倉よう子・山本修・浅井良策(編) 『ことばから心へ-認知の深淵―』
巻: なし ページ: 143-153
『日本認知言語学会論文集』
巻: 19 ページ: 210-222