研究課題
本研究課題の「自然言語の階層構造の変異可能性に関する研究は」は令和3年度が2年目である。本年度から個別課題 に対して本格的な研究を開始したこ本年度も、経験的な事実の発掘を中心にして、理論的考察を発展させることを目標に研究を進行させたが、コロナ禍が収束しない中、移動が制限され、制限されたものになってしまった。特に、学会にはオンライン参加を余儀なくされ、意見交換による情報収集が十分にできなかった面は否めない。学会や研究会等の成果の発表も制限されていたが、それでも、海外の研究発表については、オンラインとなったThe 54th Annual Meeting of the Societas Linguistica Europaeaにおいて、軽動詞構文における述語として機能する軽動詞と名詞の役割についての研究発表を行うことができた。The International Workshop on Secondary Predication 2021では、日本語の2次叙述要素の統語構造についての発表を招待講演として行った。The International Workshop on Secondary Predication 2021では講演内容に関する論文が含まれている。これらの会議は、オンライン開催であったが、コメンテーターからも数多くの有用なコメントを得ることができた。論文については、非規範的な格標示をもつ主語に関する考察をした論文が国際雑誌に掲載された。それ以外にも、統語と意味のインターフェイスについて書いたインターフェイス入門書での論文の出版ができた。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍で活動が制限されるなか、国内および国外の学会での発表ができたこと、および、研究成果の一部を出版できたことによる。
コロナ禍での移動の制限が緩和されることを念頭に、学会等に積極的に参加して、資料収集や研究発表を進めていき、その研究成果を執筆し、逐次論文にして公刊することを目指していく。
コロナ禍により移動が制限されているため、翌年度に繰り越しが生じた。移動の制限が緩和されたら、学会発表や情報収集などの対面で行う作業を積極的に行う。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
Masashi Kawashima, Hideki Kishimoto, and Kazushige Moriyama (eds.) Papers from the International Workshop on Secondary Predication 2021
巻: 1 ページ: 42-71
岸本秀樹(編)『レキシコン研究の現代的課題』
巻: 1 ページ: 135-160
Robert D. Van Valin Jr. (ed.) Challenges in the Analysis of the Syntax-Semantics-Pragmatics Interface: A Role and Reference Grammar Perspective
巻: 1 ページ: 91-112
Journal of East Asian Linguistics
巻: 30 ページ: 231-276
中村浩一郎(編)『統語論と他の分野とのインターフェイス』
巻: 1 ページ: 45-87