研究課題/領域番号 |
20K00611
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
嶋田 珠巳 明海大学, 外国語学部, 教授 (80565383)
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研究分担者 |
三上 剛史 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (80157453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 言語知識 / 言語意識 / アイルランド / ポストモダン / アイデンティティ |
研究実績の概要 |
2021年度は本プロジェクトの2年目にあたる。「言語知識の更新」を考察するための理論的な基盤を固めることと、アイルランド英語のcontact-induced grammar formationの詳細の考察を中心に行った。 (i) 理論的考察 (嶋田、三上):(a) 言語とアイデンティティに関する文献調査を行った。言語特徴がエスニシティとの関係でどのようにとらえられてきたかについて、社会言語学の諸研究を通して検討した。 (b) <社会>を含めた言語研究について、話者を媒介とした<言語>と<社会>のインターフェイスの具体的側面を考察した。(c)ポストモダン、「ポスト-ポストモダン」と呼ばれる現代社会の状況に応じて、そこに生きる人々の「アイデンティティ」のあり方がどのような変容を被らざるを得ないか、またそれがアイルランドにおける言語使用にどのような現実的影響を及ぼしているかという点について、更に検討を深めた。 (ii) アイルランド英語の調査(嶋田):アイルランド英語の現在の諸構文について、その形成過程を言語環境の変遷とともに検討した。特に、アイルランド語からの継承が考えられる文法的性質と、アイルランド英語をもとにした2言語接触による文法形成モデルの妥当性を中心に考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アイルランドでの現地調査については感染症の世界的拡大によって依然として遂行できない状況が続いているが、当初予定していた研究計画を見直し、文献調査の基盤を固め、理論的考察を充実させることがいくぶんかできているため。
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今後の研究の推進方策 |
本課題はアイルランド英語の現地調査(文法、コミュニティ、言語環境)に基づく研究を内容とする。理論的基盤を固めながら、世界の状況がゆるせば現地にて、文法と話者の言語意識、コミュニティ環境に関する調査を行い、諸々の考察を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症拡大の影響を受けて当初の計画にあったアイルランドでの言語調査ができなかったために、主にその旅費を繰越す必要が生じた。
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