2023年度は本プロジェクトの最終年度(繰越)にあたる。 (i) 理論的考察と調査計画:言語使用とアイデンティティに関して社会言語学と現代社会論の観点から考察した論文(嶋田・三上 2023)に基づき、その理論的考察を現地調査に繋げるための諸検討を行った。現代のアイルランド英語話者のコミュニティ環境に関する考察まとめた論考(嶋田 2023)からの検討課題の一つ、言語形式の社会的意味に関する調査方法を考察した。 (ii) 研究成果の公開:World Englishes学会において、have NP V-en 形式(例:he has the house bought)の意味に関してアイルランド英語南西部方言の調査データの検討を中心的な内容とした研究発表 More than a sociolinguistic variant: Meanings of have NP V-en in Southwest Irish Englishを行った。社会言語科学会において、研究発表「言語使用におけるアイデンティティ要因の検証方法-アイルランド英語における社会的意味の交換と話者要因関与調査」を行った。 (iii) 国際共同研究への発展:本研究の内容をアイルランド英語に関する次の国際共同研究課題に繋ぐため、特に現代のアイルランドの社会状況、アイルランド英語の談話データに関して、諸検討を行った。
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