研究課題
基盤研究(C)
宮古語大神島方言はとりわけ音声現象に特徴があって注目されてきたが、文法記述や語彙記述については十分なものがなかった。そこで代表者は、島の最高齢者から聞き取り調査を行い、文法記述を中心に語彙の収集にも努めた結果、周囲の宮古語諸方言と異なる興味深い文法的特徴が少なからず見られることを論文や発表で公開した。また、音声付きの用例も大量に記録することができたので、それらも含めて今後インターネット上で公開する予定である。
日本語学
宮古語大神島方言は宮古語のなかでも特徴的な方言であるにもかかわらず、島の人口は20人を切り、消滅の危機が最も懸念される方言である。その方言の文法を詳細に記述し、語彙や音声付きの用例を豊富に収集したことは、将来的に大神島方言の復興を目指す際のきわめて大きな基盤となるものであり、学術的にも社会的にも大きな意義がある。現在これらの成果を引き継いで実施されている科研で、その集大成の成果が公開される予定である。