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2020 年度 実施状況報告書

多言語データベース作成に基づく日本語における英語借用の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00625
研究機関東京海洋大学

研究代表者

今村 圭介  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00732679)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード借用 / 言語接触 / 外来語 / 言語変化
研究実績の概要

研究は多言語比較のために英語借用データベース作成をR2-R3年度に計画していた。データ入力が膨大な量になるため、研究補助者を雇用して作成を行った。データベースの作成に当たり、次の手続きを行った。1)データベース作成のための辞書選定 2)複数辞書からの語彙リストの作成 3)語彙リストの複合語の入力
まず、幅広い年代の辞書からの英語借用語を収録するために、『外来語辞典』(昭和43年)東京堂出版、『カタカナ語の辞典』(1990)小学館、『コンサイスカタカナ語辞典』(1998)三省堂、『カタカナ新語辞典』(2016)学研プラス、『カタカナ外来語略語辞典』(2013)自由国民社を選定した。その後、データベース収録のために、見出し語と複合語に分けて、入力作業を行った。令和2年度には8591語の見出し語を入力することができた。
同時に、比較研究を行うための準備として韓国語及び中国語でデータベース入力を進めている共同研究者との議論を進めてきた。見出し語選定の方法やその他データベースの入力項目についてのすり合わせを行った。
さらに、今後の比較研究のための基盤として日本語のpseudo-Anglicismの分析を行い、その分類を示し特徴を記述した。その結果は以下に報告した。
Imamura, Keisuke (2020)Categorization of Pseudo-Anglicisms in Japanese, In Szczyrbak, M. & Tereszkiewicz A. (eds) . Languages in Contact and Contrast. Jagiellonian University Press.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初想定していた量よりもデータ量が多く、またデータ入力に時間が必要であることが、遅れの大きな理由である。また、研究代表の所属変更もあり、十分に作業ができていないこと、またコロナ禍で予定していた計画がキャンセルになったことも影響している。令和2年9月に予定されていた学会と研究ミーティングは1年延期となり、計画していたシンポジウムも1年延期を予定している。なお、令和2年度の計画の一部は令和3年度に後ろ倒しで行う予定である。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、引き続きデータベース作成を主な計画とする。上半期に基本項目(見出し語、派生語、品詞、意味、借用タイプ)の入力作業を終わらせるように努める。下半期に任意項目(初出、頻度など)の情報をできる限り入力していく。
令和4,5年度は、計画通り借用語の比較研究を行っていく。量的比較として、1) 借用の総数、2) 品詞別の数、3)借用タイプ別の数、4)高頻度の借用語の数、5) 派生の数、6) 擬似英語の数、を比較する。借用全体の数では、各言語の総語彙に対する影響の大きさを記述することができる。また、借用のされやすさ(borrowability)の階層に基づき、品詞別の借用の数を集計し、比較することでも影響の強さを記述する。また、高頻度語の数を比較することで実際の言語使用の中での英語借用の影響を分析できる。さらに、当該言語の影響の大きさを測る上で一つの指標となる、派生語の数と多様性も比較する。最後に各言語で独自に作られた擬似英語(pseudo-Anglicism、和製英語と類似概念)の数の比較を行い、その影響の質的特徴を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で予定していた学会が延期となったため、その分の旅費の支出がなくなった。また共同研究者の招へいが不可能になり、その分の旅費がなくなった。学会は2021年に延期となり、共同研究者の招へいは次年度以降に計画しているため、予算支出は時期がずれるが、計画に変更はない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヤップ語における日本語起源借用語の特徴2020

    • 著者名/発表者名
      今村 圭介、ダニエル ロング
    • 雑誌名

      日本語の研究

      巻: 16 ページ: 152~167

    • DOI

      10.20666/nihongonokenkyu.16.2_152

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] Languages in Contact and Contrast2021

    • 著者名/発表者名
      Magdalena Szczyrbak and Anna Tereszkiewicz (eds.) Keisuke Imamura etc.
    • 総ページ数
      574 (229-249)
    • 出版者
      Jagiellonian University Press
    • ISBN
      9788323349174

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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