2023 年度研究成果報告書

近世節用集の基礎情報総合事典のための基礎調査と資料収集

研究課題

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研究課題/領域番号	20K00627
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
審査区分	小区分02070:日本語学関連
研究機関	岐阜大学
研究代表者	佐藤貴裕岐阜大学, 教育学部, 教授 (00196247)
研究期間 (年度)	2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード	日本語史 / 辞書史 / 語彙史 / 出版史
研究成果の概要	コロナ禍が続く時期であったため、情報収集のキーであった臨地調査が十分にはできなかった。これに代わって、蓄積済みの情報を公開するため、論文執筆を積極的に行った。また、大正期の節用集観を反映する上司小剣『紫合村』ほかをＨＰ上にて公開した。さらに、新たな視点として、近世節用集に取って代わった辞書群に注目することができた。資料収集は、未知の資料や学術的価値の高いものをはじめ60点以上にのぼった。ここには、近代実用辞書（ペン字・対訳英語併記の簡易国語辞書）約30点を含んでいる。以上、本研究計画によって、近世節用集関連資料の充実とともに、近代実用辞書研究への基礎を確立することができた。
自由記述の分野	日本語学
研究成果の学術的意義や社会的意義	本研究が目指すのは、節用集とは何物であるかを提示するための、さまざまな情報の収集と新たなな手法の開拓であり、それらからなるより深いレベルでの記述的研究である。近世節用集は、隣接諸分野の研究者からも、近世の文化状況を端的に知るためのツールとして着目されている。したがって、節用集が何物であるかを改めて示す責任が、辞書史学を擁する国語学・日本語学の側にはあるものと考える。その責の一端を果たすのが本研究計画である。近世・近代に生きる人々が節用集などと触れ合うことで基礎的教養・文化的素養を育んだであろうが、それはそのまま、近代国家・国民国家の形成への関わり方を示す部分を含むものとなっている。