研究課題/領域番号 |
20K00636
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡崎 友子 立命館大学, 文学部, 教授 (10379216)
|
研究分担者 |
小林 雄一郎 日本大学, 生産工学部, 講師 (00725666)
松田 真希子 金沢大学, 融合研究域融合科学系, 教授 (10361932)
竹内 史郎 成城大学, 文芸学部, 准教授 (70455947)
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 指示詞 / 歴史的研究 / 対照研究 / 統計処理 |
研究実績の概要 |
2021年度もコロナ禍であったため、本研究では引き続きデータ収集と統計処理、また、ZOOMおよびメールを利用した研究代表者・研究分担者間の議論・研究会を中心とした。 当初の計画では指示詞の用例調査は、文献とフィールドワークを予定していた。しかし、2020年度と同じくコロナ禍であったため、多人数の被験者を必要とする調査は断念した。その代わりとして、文献からの用例収集と分析に重点を置くこととした。 その結果、本年度の主たる成果としては、上代・中古の指示詞を明らかとした岡﨑友子「上代の指代名詞について」『国語と国文学』98-12、岡﨑友子「データからみる中古の指示代名詞」『語文』116・117等を公刊することができた。 さらに、本年度もインターネット(ZOOM)を用いて、研究発表会を2度行った。第1回研究会(2021年9月20日)では、本研究の理論をさらに深化させるため、ベトナム語の指示詞の専門家である安達真弓氏(東京外国語大学、アジア・アフリカ言語文化研究所・助教)に、ベトナム語の指示詞の用法の発表「空間と談話:ベトナム語指示詞の場合」をお願いした。方言、諸言語との対照研究も本研究の射程内であり、同じ3体系を持つベトナム語の指示詞の情報は、本研究にとって非常に有益であった。次に、第2回研究会(2022年3月5日)では、研究分担者である竹内史郎氏(成城大学)による「上代語の主文終止形節における格配列、相互識別、無助詞現象」、小林雄一郎氏(日本大学)・岡﨑友子「日本語指示代名詞の計量的研究」の発表を行った。なお、後者の小林・岡﨑の共同研究は、上代から明治・大正までの指示詞の全用例の収集、そのデータを統計処理・分析するものであり、次年度の2022年度に『計量国語学』に投稿が決まっている(招待論文)。これにより、歴史を通じた指示詞の流れを明らかにできるものと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載したように、2021年度も引き続きコロナ禍であったため、多人数の被験者を必要とするフィールドワークは断念せざるを得なかった。 その代わりとして、以下に研究の重点を置き研究を行った。 ①研究代表者・研究分担者の各個人による現代・古代語の文献・コーパス(「日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)・「日本語歴史コーパス(GHJ)等)を用いた用例収集および先行研究の調査。 ②ZOOMとメールによる研究代表者・研究分担者全員および各個人間による議論(一時期、コロナの状況により、対面での議論も行っている)および分析。 ①②の結果、まとまった研究成果を公開することができた。 以上により、おおむね順調に本研究は進んでいるものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が終息し次第、予定していたフィールドワークを再開する。2021年度においてもフィールドワークに関して、調査項目の議論・フェイスシートの作成等の下準備は行っており、2022年度以降、調査は随時可能である。 さらに、これまで行ってきた現代・古代語の文献による調査・分析も進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、本研究で予定していた、現場における指示詞の使用に関する調査(フィールドワーク)が出来なかったこと、また、当初、対面で予定していた研究会、打ち合わせもインターネット(ZOOM)で行ったため繰越金が発生した。 次年度では、コロナ禍が終息し次第、フィールドワークを始める。それに伴い、対面による研究会、打ち合わせも、研究代表者・研究分担者の所属大学で行う。
|