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2023 年度 実施状況報告書

HPSGによる英語における名詞と数詞の形態・統語的関係

研究課題

研究課題/領域番号 20K00672
研究機関龍谷大学

研究代表者

前川 貴史  龍谷大学, 社会学部, 教授 (50461687)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード名詞句 / 数詞 / 冠詞 / 数量名詞 / 統語論 / HPSG
研究実績の概要

本研究は、制約に基づく言語理論である Head-Driven Phrase Structure Grammar (HPSG) の枠組みによって、数詞と名詞が結合する英語の名詞句の特質を明らかにするものである。限定詞や形容詞など他の名詞句内の要素との関係をも視野に入れ、名詞句構造の性質を全般的に議論する。2023年度に実施した研究のうち、本研究に関わるものには次の2点がある。
第1に、a beautiful three weeks などのように、[冠詞+形容詞+数詞+複数名詞]という構造を持つAANN構造に焦点を当て、複数形名詞と不定冠詞の共起に対し、英語学習者の理解しやすい説明を模索する研究を行った。まず、複数のものを一つのグループとして捉えて単数で表現する「複数の統合化」という現象によってAANN構造での不定冠詞の生起を動機づける有力な考え方がある。しかし本論では、統合化とAANN構造の不定冠詞とは切り離して考えるべきであると考え、AANN構造の不定冠詞は、数詞/不定冠詞anの複数形から発達したという、歴史的経緯による説明が有効であることを主張した。
第2の研究は、a lot of students など、[N1+of+N2] の形式を持つ疑似部分構造についてのものである。この構造はlotやnumberなどの数量名詞がN1として用いられた場合、それらの名詞が主要部となる。また、of + N2は前置詞句を形成し、数量名詞の補部となる。この分析によって、of + N2の関係詞化が可能であることや、複数的意味を持つにも関わらず不定冠詞が生起することが説明できる。また、数量名詞の語彙情報内で主要部と補部がINDEX素性の値を共有するよう指定することによって、主語として用いられた際の動詞との数の一致形態を捉えることができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍によって科研費による前課題の進行が遅れ,それにともなって本研究課題の開始が大幅に遅れたことにより,進捗は当初の予定よりも全体的に遅れている。しかし、2023年度のみに限ると、概ね順調に進行したと言える。

今後の研究の推進方策

英語やその他の関連する言語の統語論・形態論・意味論関係の研究や HPSG 理論における文献の調査を行う。また,British National CorpusやThe Corpus of Contemporary American English などの大規模コーパスを利用することで、広範囲のデータの収集を行う。さらに、ペーパーバックなどからの手作業によるデータ収集も同時に行う。各種研究会や学会での口頭発表や,学術雑誌への論文の公表などによって成果を発表する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により本研究の開始が遅れたことに伴う全体的な研究進捗の遅れによって、次年度使用額が生じている。
各種文献の購入や、研究会・学会への出席のための交通費・宿泊費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 形容詞的受身と状態性2023

    • 著者名/発表者名
      前川貴史
    • 学会等名
      日本英文学会関西支部第18回大会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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