• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

構文学習における構文の限定的生産性の探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00680
研究機関神戸大学

研究代表者

木原 恵美子  神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (30611371)

研究分担者 濱野 寛子  名古屋学院大学, 経済学部, 講師 (50756971) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード構文の部分的生産性 / グッドイナフ・アプローチ / 幼児と大人 / L2学習者 / 認知的アクセシビリティ / L2習熟度 / engagement
研究実績の概要

前年度に「話者は言語理解と言語運用時にグッドイナフなアプローチ(Goldberg and Ferreira 2022)をとることがあることが、学習者の構文の部分的生産性に関連している」ことが明らかになったため、最終年度は学習者のグッドイナフアプローチについて研究した。Goldberg and Ferreira (2022)では、大人の母語話者に限らず、幼児も言語理解と運用の際にグッドイナフアプローチを取ることが指摘されたが、本研究により、学習者もグッドイナフアプローチをとることが明らかになった。具体的には、学習者がグッドイナフアプローチをとる際、意味的にはラポール構築や参加態度(engagement, Goodwin 1981)が関連し、形式的には繰り返しや協働構文(Langacker 2008: 479)を取ることがあることが明らかになった。

研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、①学習者と幼児の構文学習については、まず幼児と大人の会話では、周りの大人の先行発話を幼児が見聞きする経験(回数)が幼児の構文学習には必要になるが、大学生(学習者)同士の会話では、ラポール構築や参加態度が構文の選択や運用に影響を与えうることが明らかになった。この点は、従来の研究のように構文知識を記述分析しているだけでは明らかにできなかっただろう。構文の運用については、会話・対話・談話の中の構文を分析していく必要があることが本研究により示されたと考える。②構文の部分的生産性については、「構文への認知的アクセシビリティには、その構文への馴染み度(familiarity)も影響する」とGoldberg (2019)で指摘されたが、本研究により、L2会話の場合、参加者のL2習熟度や参加態度(engagement, Goodwin 1981)も構文の生産性に影響することが明らかになった。今後も、母語話者や学習者、子供や大人による会話を分析していくことで、構文の部分的生産性にかかわる要因を明らかにしていけるだろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 認知言語学論考2023

    • 著者名/発表者名
      木原恵美子
    • 総ページ数
      25
    • 出版者
      ひつじ書房

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi