研究課題/領域番号 |
20K00696
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松崎 寛 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10250648)
|
研究分担者 |
澤田 浩子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70379022)
井出 里咲子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80344844)
長田 友紀 筑波大学, 人間系, 准教授 (70360956)
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 教授 (40273156)
菊地 かおり 筑波大学, 人間系, 助教 (40616843)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 生活者としての外国人 / 地域的包括支援 / 留学生家族 / 外国人児童生徒 / サービス・ラーニング |
研究実績の概要 |
地域的な支援ネットワークの構築を大きな課題とし、大きく次の①②③の3点を行っている。 「①大学における授業を通じた支援者・理解者の養成」:2020年度に筑波大学に新規開設された「外国人児童生徒支援研究」受講者から日本語支援者を募り、「外国人児童生徒支援実習」において県内の中学校に在籍する生徒に対するオンライン日本語支援を行った。担当教員と実習生が定期的に支援内容を振り返り、音声言語・文字言語の産出に対する受容・理解力を高める練習や、よりわかりやすい支援方法の追究に関する討議を行った。日本語支援の様子は録画し、どのようなインターアクションが見られたか、文字化・分析を行っているところである。 「②留学生とその家族への情報保障支援」:筑波大学とつくば市の関係諸団体から構成された「つくば日本語支援プラットフォーム」関連の動きとして、つくば市国際交流協会・つくば市教育委員会主催の「外国人親子のためのプレスクール・プレクラス」が実施され、オンラインで就学・進学ガイダンスや日本語支援が行われた。 「③外国人児童生徒の居場所確保及び日本語学習支援」:三重県教育委員会・名張市教育委員会や名張中学校校長・担当教員、そして生徒本人にオンラインでインタビューする機会を得て、市内・県内の外国人児童生徒の概況、日本語支援体制やNPO団体への外部委託等についてお話を伺った。また、②で述べたプラットフォーム関連で、「つくばスタートアップパーク」での児童生徒に対する放課後支援が開始された。 また、筑波大学の留学生受け入れ政策と近隣地域との連携、そして大学生日本語支援者養成の教育課程への位置付けについて、これまでの実践と今後の課題を整理し、研究論文「つくば市の外国人児童生徒日本語教育の課題と地域社会との教育連携」「大学における教職課程と日本語教育学との連携に関する考察」にまとめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「①大学における授業を通じた支援者・理解者の養成」について、外国人児童生徒支援実践の録画映像資料の文字化作業が、予定より遅れている。「②留学生とその家族への情報保障支援」について、生活面での様々な手続きや活動に関する説明映像等を作製・発信するべく、留学生家族の懇話会や対面インタビューを実施し、現状や要望を把握する基礎研究を行う予定であったが、2020年度は実施できなかった。2021年度はこれらを重点的に行い、研究のためのデータ整理を進める、
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、筑波大生に対する授業実践を通じて、課題解決のための研究を行う。日本人側の誤解がいかに生じるかを明らかにするための実践を進め、スピーチスタイルの一つとしての「フォリナートーク」を一般に普及させるための方法論に関する基礎的・応用的研究を行う。 また、子育て外国人家族への情報提供・支援に関しては、つくば市国際交流協会等との連携協力を深め、適切に就学手続きできる効果的な支援策の策定を行う。今年度の成果を踏まえ学校教育現場への支援の一環として大学としてどのような関わり方ができるか、その実施可能性を探るための研究を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応として、予定していた三重県への出張をオンラインでのインタビューに切り替えるなどしたため、旅費使用額が0円となった。 また、日本語遠隔支援ビデオの文字化作業等のデータ整備が予定より遅れているため、謝金額が0円となった。次年度使用額は、文字化作業を業者に委託するための費用に充てる予定である。
|