研究課題/領域番号 |
20K00697
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ボイクマン 総子 (椙本総子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50370995)
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研究分担者 |
根本 愛子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80746701)
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00255259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スピーキングテスト / プレースメント / 言語テスト / 第二言語習得 / 妥当性 / 信頼性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、プレースメントのための日本語スピーキングテストSTAR: Speaking Test of Active Reaction を開発し、妥当性の検証を行うことである。本研究ではSTARのテストタスクを開発し、タスクの妥当性を検証、日本語母語話者の非日本語教師でも簡便に使用できるテストとすることを目標としている。 テストタスクとしては、音読タスク、シャドーイングタスク、聞いた話を再話するタスク、絵描写タスク、状況対応タスク、意見述べタスクの計6種のタスクと、それぞれのルーブリック(判定表)を開発した。開発したタスクをオンライン受験できる受験サイトを作成し、約200名の受験者の音声データを収集した。 このうち、状況対応タスク3種について有用性(信頼性、構成概念妥当性、実用性)を多相ラッシュモデル等を用いて検証したところ、中級レベルの弁別力が不足している可能性はあるものの有用性が高いことがわかった。また、判定者によるコメント分析をしたところ、上級の特徴が自然さ・流暢さであること、内容・テキストの型・対人配慮は中級前期と中級中期を境に、文法は中級中期と中級後期を境にできる・できないに分かれることがわかった。また、10年以上の日本語教師経験のある教師33名、教師歴が3年から10年の日本語教師15名、非日本語教師64に状況対応についての判定実験を行い、比較したところ、信頼性に大差は見られなかったが、非教師は学習者のレベルによって判定の観点を変えないのに対し、教師はレベルによって注目する観点を変えることがわかった。さらに、コメント分析の結果にもとづき、ルーブリックを改良し、判定レベルの弁別性を焦点化した弁別性焦点化ルーブリックを作成した。 主に状況タスクについて妥当性を検証した結果、非日本語教師でも判定が可能なスピーキングテストのプロトタイプが開発できたと言える。
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