研究課題/領域番号 |
20K00714
|
研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
西郷 英樹 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20388482)
|
研究分担者 |
清水 崇文 上智大学, 言語教育研究センター, 教授 (70365675)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 日本語教育 / 雑談 / 共通基盤 / 母語話者 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、自然会話コーパス(BTSJ日本語自然会話コーパス2020年度版)中の日本語母語話者同士の雑談会話(21会話、485分35秒)の分析を行い、母語話者が雑談の中でどのように話し相手との間に共通基盤(次に話す内容の下準備)を構築しながら話を展開しているか調査した。 その結果、共通基盤構築と考えられる例が228例認められ、以下の3つの点を解明した。 ①共通基盤にする内容が、(a)話し手のみが知っている内容、(b)話し手と聞き手がともに知っている内容、(c)聞き手のみが知っている内容かで、使用している表現・ストラテジーが異なること、②共通基盤構築228例中、(a)(b)(c)のそれぞれの割合が順に、64.9%、30.7%、4.4%であったこと、③(a)(b)(c)それぞれの中でも、様々な表現・ストラテジーが使われていること、が分かった。 (a)(b)(c)でそれぞれ使われていた表現・ストラテジーは、(a)が「~んだけど」系(57例)「~の」系(43例)、「~のね」系(20例)、「~のよ」系(14例)、「~んだって」系(4例)、「~わけ」系(4例)、「~よ」系(2例)、「~のよね」系(2例)、「~かな」系(1例)、感情先出しストラテジー(1例)、(b)が、「じゃん」系(51例)、「でしょ?」系(9例)、「よね」系(6例)、「んでしょ?」系(4例)、(c)が、質問ストラテジー(10例)、であった。 それぞれの表現・ストラテジーがどのような機能を持つかに関しても考察を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した計画通りに進んでいる(初年度は「母語話者の雑談コーパスから表現・ストラテジーを抽出・分類」)。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度では、計画研究調書通りに、自然会話コーパス(BTSJ日本語自然会話コーパス2020年度版)を用いて、日本語非母語話者がどのような表現・ストラテジーを用いて聞き手(日本語母語話者)との間に共通基盤を構築しているか分析・調査を行い、初年度に行った母語話者データの調査結果との比較分析を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
打合せをオンラインで行い、旅費が不要であったため。
|