研究課題/領域番号 |
20K00715
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
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研究分担者 |
宇佐美 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40293245)
柳田 直美 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 准教授 (60635291)
嶋津 百代 関西大学, 外国語学部, 教授 (90756868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 対話能力 / 異文化コミュニケーション / 話し合い |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、異なる文化的背景を持つ参加者による話し合いにおいて、相互理解と学習の深化を促す対話のプロセスを明らかにし、文化を超えた対話能力の育成のためのプログラムの開発に必要な実証的な知見を得ることである。 2021年度に収録した、留学生3名と日本人学生1名によるオンラインでの話し合いデータの分析から、参加者が多様な出身国・地域や文化的背景を持つにもかかわらず、その多くが、お互いの価値観や考え方の違いよりも「話し合いの進め方」に注意を向ける傾向があることが明らかになった。さらに、この傾向には、参加者全員が、本科研のメンバーによる話し合いトレーニングを授業で受講していることが影響している可能性が示唆された。この結果を受け、2022年度は、話し合いトレーニングを1年間受けた経験を持つ大学4年生15人と3年生16人の計21名に対し、4~6人ずつのフォーカス・グループインタビューを実施した。その結果、4年生の多くは、1)意見を言わなければという意識から、他の参加者の意見をよく聞くことがまず大切だという意識に変わったということ、2)話し合いの過程で起きた参加者同士の衝突や困難を乗り越えたことが、結果的に自分たちの意識の変化につながったと考えていること、3)話し合いで自分がどうふるまうべきかを考えながら参加できるようになったこと、の3点を自分たちの成長として捉えていることが明らかになった。他方、3年生のインタビューでは、同じ話し合いのグループに属していたメンバー間でも、自分たちの話し合いに対する見方や問題意識が異なっていることが分かった。3年生のインタビューは話し合いトレーニング終了後2、3週間後に実施したのに対し、4年生のインタビューは、トレーニング終了後半年後であったため、時間が経つにつれて当時の経験に対する見方がより俯瞰的になった可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で対面での話し合いの収録が難しかったため、2021年度にオンラインでの話し合いを行ったが、その分析結果から、話し合い後の振り返りの重要性が明らかになったため、当初の計画を変更し、振り返りの収録と分析を行うことにした。この計画変更に伴い、新たなデータ収録の計画と準備に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に収録したフォーカス・グループインタビューの分析をさらに進め、異文化における話し合いを通した学習の深化を促す対話のデザインと振り返りの方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、対面での話し合いのデータ収録ができなかったため、そのために計上していた謝金等を使用しなかった。また、分担者や研究協力者との研究会や打ち合わせもオンラインで実施せざるを得なくなり、旅費も使用しなかった。次年度使用額は、国際学会での発表と2022年度に収録したデータの整理費用に充てる。
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