研究課題/領域番号 |
20K00718
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
山田 智久 西南学院大学, 外国語学部, 教授 (90549148)
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研究分担者 |
伊藤 秀明 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70802627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オンライン授業 / ICTリテラシー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、Information and Communication Technology(以下、ICT)を使った授業が「誰に」、「どのような効果があるのか」を費用としてかかる「コスト」という観点を意識して実証的に明らかにすることである。この証明のために、Virtual Reality(以下、VR)を用いた実験的な授業を構築する際に、教師がどのような負担を感じるのか、どのような教育効果を発見できるのかということに焦点を当てて研究を推進する予定であった。しかしながら、COVID-19の影響で、教室でのデータ収集並びに被験者からの協力が得ることができなかったのが現状である。 この状況を受け、初年度はICTと日本語教育での実情調査を行うことを目標とし、1)大学での日本語教育、2)国内の日本語学校、3)国外の日本語教育機関、4)地域支援におけるCOVID-19の影響と対策についての聞き取り調査をオンラインで行なった。 聞き取り調査の結果、オンライン授業が主流となったことで教師及び教育現場でのICT活用に対する姿勢がそもそも変化していることがわかった。具体的には、周りが使っているから自分も使わなくてはいけないという強迫観念のもとに使用している教師が増えていること、そしてオンライン上での著作権について理解が不十分なままオンライン授業を行っている教師が多いことが明らかとなった。 上記の現状に鑑み、本研究のメンバーが編者となり『オンライン授業を考える~日本語教師のためのICTリテラシー~』を2021年11月に刊行した。本書を基端としたワークショップ、講演活動も継続的に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要でも明記したが、COVID-19の影響により、申請時の研究計画を完全に遂行する困難があった。しかしながら、日本語教師のICTリテラシーについては書籍として体系的に整理することができ、新たな議論の端緒を示すことができているため当該評価とする。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の収束具合も考慮に入れて考えていく必要があるが、オンライン授業という新たな要因を考慮に入れる必要が出てきたことは否めない。したがって、今後は、オンライン授業というキーワードを見つつ、日本語教師がICTを使う際の心理的負担という側面に着目して実験を行う。この実験結果をもとに、日本語教師のICT活用のモデリング構築を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスにより予定していた実験が困難となったことに加え、物理的な移動が制限されたため。
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