研究課題/領域番号 |
20K00732
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
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研究分担者 |
臼山 利信 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50323225)
本田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, グローバルコミュニケーションセンター, 教授 (70286433)
岩田 一成 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (70509067)
横田 和子 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 講師 (80434249)
岩坂 泰子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80636449)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ビジュアルリテラシー / 医療現場 / サインデザイン / やさしい日本語 / マルチリテラシーズ教育 / 多言語多文化共生社会 / 持続可能性 / 安心安全な社会 |
研究実績の概要 |
昨年度は、一時収束が期待されたコロナ感染だったが、再度緊急事態宣言が発令された地域もあり、病院や海外での調査が再びできなかった。そのため、それぞれが担当することになっていた国内外の病院や医療関係のサインの調査成果報告のための対面研究会は一度も開催できなかった。しかし、本メンバーで学会発表を行ったため、その準備と振り返りのためのオンライン研究会を開催することができた。 進捗状況としては、代表者は、前年度集めた病院のサインの中で、特にコロナ関連のサインの整理を行った。また、首都圏および地方自治体のHPから、多言語サイトの1つである「やさしい日本語」のコロナ関連情報のイラストやピクトグラムなどを収集した。さらに医療関係やデザイン研究分の医療サイン研究やユニバーサルデザインとしての医療サインの研究報告書や成果論文などの収集を行った。 分担者の岩田一成氏が、台湾での1年間の海外研修の機会を得たことで、現地の医療サイン収集を進めることができた。さらに、台湾からでもオンラインを通して活動することが可能であったため、医療関係者と立ち上げた医療現場での「やさしい日本語研究会」において病院やNGOの外国人支援者とで開発したyou tubeに加わった「新型コロナ編」を通して、現在、日本語表現や文字情報の「わかりやすさ」に加え、ビジュアル要素が担う「わかりやすさ」についても検討をはじめている。 本研究を深める上で、長年、日本の英語教育の多言語多文化教材開発や教員養成の外国語活動の研究をリードしている岩坂泰子氏を研究協力者として迎えた。代表者と横田和子氏と岩坂泰子氏とは、日本国際理解教育学会の特定課題研究グループのメンバーで、身体、視覚などのマルチモードを通したリテラシー研究として教材開発や教育研究を共同で行なっている。その成果を、日本国際理解教育学会や他学会でも共同発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各教員の所属している機関からの要請もあり、想定していたデータ収集のための出張や学会参加ができず、現地で撮影したり、必要機関を訪ねて、資料収集することができなかった。また、学会もオンライン開催がほとんどだったため、移動費や滞在費を使う機会がなく、また、参加費も発生しない場合が多かった。研究会もオンラインで行ったため、遠方のメンバーの移動経費の必要もなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、収集できつつある病院や病院に行くまでのサイン撮影をさらに進める。また、岩田が少数だが病院に留学生に同行してもらい、スムーズに診察を受け支払いをして病院を出るまでの一連の行動に支障はないか、調査を開始している。その報告と特にビジュアル要素による誤解やわかりにくさ、文化差について調査と分析を進める。6月の日本言語政策学会では、分担者3名が、自治体の新型コロナ情報の提示状況をもとに、安心安全な社会のために「誰一人残さない」コロナ情報のサインについてSDGsの観点から検討するパネルが採択されている。 これらの、収集した新型コロナに関するサインやピクトをもとに、大学の留学生に「わかりやすさ」の観点から、調査を開始している。 今後は、地域の日本語ボラティア教室に通う外国人、病院の外国人、高齢者の方に対して、サインのわかりやすさや問題点について調査し、「やさしい日本語」への貢献と日本語のビジュアルリテラシー研究の成果を目指し、考察していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度も、各研究者の所属している機関からの要請もあり、想定していたデータ収集のための出張や学会参加ができなかった。よって現地の街の医療サインを撮影したり、必要機関を訪ねて、状況を直接資料収集を行い、対面での聞き取り調査を行うことができなかった。また、オンラインでの学会や研究会には参加できたが、移動費、宿泊費、学会参加費などが発生しなかった。科研メンバーでの研究会もオンランで行ったため、遠方のメンバーの移動費などの経費の必要がなかった。
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