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2023 年度 実施状況報告書

医療機関におけるわかりやすいサインを考えるービジュアル・リテラシーの視点からー

研究課題

研究課題/領域番号 20K00732
研究機関東京国際大学

研究代表者

岡本 能里子  東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)

研究分担者 臼山 利信  筑波大学, 人文社会系, 教授 (50323225)
本田 弘之  北陸先端科学技術大学院大学, グローバルコミュニケーションセンター, 教授 (70286433)
岩田 一成  聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (70509067)
横田 和子  日本映画大学, 映画学部, 准教授 (80434249)
岩坂 泰子  同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (80636449)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードビジュアルリテラシー / 医療現場 / サインデザイン / やさしい日本語 / マルチリテラシーズ教育 / 多言語多文化共生社会 / 持続可能性 / 安心安全な社会
研究実績の概要

昨年度は、欧米圏での海外調査ができなかった。しかし、岩田氏による台湾での言語景観調査の情報が追加された。進捗状況としては、代表者は、継続して首都圏および地方自治体の「やさしい日本語」のコロナ関連情報のイラストやピクトグラムを収集した。特に昨年度は、新型コロナの位置付けが変更され、観光客が戻ってきたことを受け、外国人観光客が事故や災害にも対応できるよう、自治体の多言語表示の調査により得たデータと合わせ、空港や駅などのサインやピクトを収集した。それらを昨年から設置しているDropboxに格納しメンバー全員に活用できるようにした。これらをもとに、SDGsの観点から、「空間デザイン」をテーマに、6月の日本言語政策学会の大会でパネルを企画し発信した。続けて9月には、「オーバーツーリズム」の問題が顕在化する中、SDGsの「住み続けられるまちづくりを」との関連で、「空間デザイン」の公開シンポジウムを京都で行い研究を深めることができた。岩田一成氏は、医療従事者へのやさしい日本語研修を継続しており、さらに、自治体での防災に備えた「やさしい日本語」研修の講師も務めている。臼山氏は、「やさしい日本語」マインドを引き継ぎ、「やさしいロシア語」「やさしい中国語」など、多くの外国語の研究へと発展されている。多言語多文化教材開発リードしている横田和子氏とメンバーの岩坂泰子氏と共に、 マルチリテラシーの教育学の観点からことばに表せない思いを伝える身体表現の研究を進めており、ビデオ教材を開発中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

進歩状況は、やや遅れている。理由は、1年延長したことで、日本国内のデータは着実に集まっている。メンバー各自が多様な学会での発表や論文執筆を行なった。しかし、代表者が内外のタスクが増え多忙を極め、体調を崩したため、海外調査に出ることができず、メンバーそれぞれの研究成果を持ち寄り、全員での研究会や学会発表、意見交換などの機会を持つことができなかった。そのため、それぞれの成果の統合ができていない点があげられる。

今後の研究の推進方策

コロナの影響で1年延長し、最終年度となる。集まったデータの分析を主に行い、日本語のビジュアルグラマーの解明を行い、医療現場と災害関連現場に還元したいと考えている。さらに、マルチリテラシーズ教育教材の開発と外国語教育、国語教育との連携という次のテーマに繋げたい。6月には、日本言語政策学会での大阪万博会場における多言語状況のパネルが採択されている。これらの日本言語政策学会のメンバーで執筆した本の校正が最終段階に入っている。国語科教育研究者との文字コミュニケーション研究も進めており、それらを国語科教育と日本語教育へと還元し、日本が多様性に拓かれた持続可能な多文化共生社会となるようなマルチリテラシー教育研究とコミュニケーション研究へとつなげたい。

次年度使用額が生じた理由

海外出張に出ることができなかったため。最終年度のデータ集めと保存機材、参考文献などの購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] コロナ禍におけるオンラインと対面授業の効果の違いに関する一考察2024

    • 著者名/発表者名
      村田和代、チャプルジュリアン、岡本能里子、吉田悦子、秦かおり
    • 雑誌名

      龍谷大学(社文研)『国際社会文化研究所紀要』

      巻: 26号 ページ: pp.215-221

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文化的言語的に多様化する教室における英語教育実践ートランスランゲージング・クラスルームを枠組みとしてー2023

    • 著者名/発表者名
      岩坂泰子・佐野愛子・櫻井千穂
    • 雑誌名

      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究 紀要

      巻: 19号 ページ: pp. 59-75

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 伝わる公共サイン考―避難誘導標識の課題―2023

    • 著者名/発表者名
      岩田一成
    • 雑誌名

      新世紀人文学論究 新世紀 人文学研究会

      巻: 7 ページ: 313-322

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 駅と道路の公共サインを比較する―道路標識にはなぜ平仮名がないのか?ー2023

    • 著者名/発表者名
      岩田一成
    • 雑誌名

      『聖心 女子大学論叢

      巻: 141 ページ: 138-154

  • [学会発表] アスリート留学生を対象とする日本語教育に求められるものとは-教育現場からの実践報告2024

    • 著者名/発表者名
      東会娟、正宗鈴香、岡本能里子
    • 学会等名
      スポーツ言語学会主催研究会
  • [学会発表] 大阪・関西万博と言語を巡る諸課題について考える2024

    • 著者名/発表者名
      上村圭介、長谷川由起子、藤井久美子、山川和彦、臼山利信、松岡洋子、岡本能里子、中谷潤子、ヤン・ジンスク
    • 学会等名
      日本言語政策学会 26回大会
  • [学会発表] LINEを用いたコミュニケーションーコロナ禍の大学生の意識・スタンプ利用に注目してー2023

    • 著者名/発表者名
      服部圭子、岡本能里子
    • 学会等名
      社会言語科学会 第47回大会
  • [学会発表] アスリート留学生に対する日本語教育の在り方の一考察ー受け入れ大学へのアンケート調査及び監督へのインタビュー調査からー2023

    • 著者名/発表者名
      正宗鈴香、日野純子、中山由佳、東会ケン、岡本能里子
    • 学会等名
      日本語教育学会 秋季大会
  • [学会発表] 多様性に拓かれた空間デザイン2023

    • 著者名/発表者名
      岡本能里子
    • 学会等名
      龍谷大学 日本言語政策学会共催
  • [学会発表] スキージャンプの技術トレーニング場面におけるコーチと選手のトランシーバーを介した会話の様相2023

    • 著者名/発表者名
      三好英次,金子元彦,岡本能里子
    • 学会等名
      日本認知科学会 間合い研究分科会
  • [学会発表] 道路標識になぜ平仮名がないのか?2023

    • 著者名/発表者名
      岩田一成
    • 学会等名
      筑波大学日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト、日本言語政策学会多言語対応研究会共催 第 46 回「中央 ユーラシアと日本の未来」
    • 招待講演
  • [学会発表] 公共サインと機械翻訳2023

    • 著者名/発表者名
      本田弘之
    • 学会等名
      筑波大学日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト、日本言語政策学会多言語対応研究会共催 第 46 回「中央 ユーラシアと日本の未来」
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本の地方自治体等の多言語対応は何に役立つか?2023

    • 著者名/発表者名
      臼山利信
    • 学会等名
      日本言語政策学会 第25回研究大会
  • [学会発表] SDGs と日本の地方自治体の多言語対応2023

    • 著者名/発表者名
      臼山利信
    • 学会等名
      第 17 回ワルシャワ大学日本祭
    • 国際学会
  • [学会発表] 平和をめぐる国際共修授業の試み ーピースウォッシングに加担しないためにー2023

    • 著者名/発表者名
      横田和子
    • 学会等名
      日本国際理解教育学会第32回大会
  • [学会発表] こえとことばの本来性 ―アート・身体・情動が媒介する学び―2023

    • 著者名/発表者名
      横田和子
    • 学会等名
      地域デザイン学会 アート&フェスフォーラム
  • [図書] 『法と言語』(改訂版)法言語学へのいざない2024

    • 著者名/発表者名
      橋内武、堀田秀吾、大河原眞美、水野真木子、中村幸子、中村秩祥子、中根育子、五所万実、John Gibbons、首藤佐智子、渡辺修、札埜和男、藤田政博、Richard Powell、岡本能里子、杉本篤史
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      9784874249536
  • [図書] 言語政策研究への案内2024

    • 著者名/発表者名
      木村護郎クリストフ,西島佑,山川和彦,石原昌英,原隆幸,サウクエンファン,高民定,金子信子,上村圭介,嶋津拓,村岡英裕,福永由佳,沓掛沙弥香,貞包和寛,寺沢拓敬,井佐原均,神崎亨子,下絵津子,中川洋子,西山教行,杉本篤史,岩田一成,松岡洋子,神吉宇一,落合知子,中川康弘,加藤好崇,今千春,猿橋順子,村田和代,岡本能里子,山本冴里
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      くろしお出版

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公開日: 2024-12-25  

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