研究課題/領域番号 |
20K00745
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
阪上 辰也 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (60512621)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 探索的データ分析 / 第二言語習得 / 学習データ / 認知モデリング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,英語の学習者を対象として,英作文・英文読解・学習ログ等を通じて得られたデータを元に,目的に応じた処理方法や実施可能な分析手法、さらには探索的なデータ分析の手順について検討し,学習者の行動の特徴や傾向を明らかにすることである。 2022年度においても,これまでに引き続いて,利用されるデータの種類やデータの記録・公開形式、さらにはそれらをどのような手法で分析しているかなどの情報収集を行なった。結果として,海外においては,視線計測実験によって得られた実験データなど,データそのものがウェブ上で公開されている事例があることが分かった。しかしながら,国内においては,論文そのものがオンラインで早期に公開されるようになっているものの,研究のために収集されたテストデータやアンケートデータそのものがウェブ上で公開されるという事例が十分には見当たらなかった。こうした現状を踏まえつつ,2022年度においては,比較的収集が容易であると思われる学習データに着目し,それらを収集の上,英語学習者がどのような学習行動を取っていたのかについて,探索的な分析を試みた。 なお,2022年度においても,対面による実験実施が困難な状況が続いたため,ウェブを介したデータ収集や実験方法についても検討を行った。その一環として学習データを収集・活用することにしたが,今後は他の種類のデータ収集についても検討し,今後の調査・実験を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの探索的分析などを実施してはいるものの,実験実施やデータ収集,また得られたデータ分析そのものに十分取り組めていたとは言い難く,追加的な調査や実験の実施も十分勧められていないという状況を踏まえ,遅れが生じていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,現時点で入手可能なデータとしてどのようなものがあるかについて継続的な調査を進め,入手できるものを中心に,探索的な分析を行うことを計画している。また,ウェブを介した調査や実験の実現可能性について検討を続け,可能であれば,対面式の実験データにも着手する。これらの取り組みとその結果については,2023年度後半以降での学会発表・論文投稿を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは,2022年度においても,対面によるデータ収集を行うことが困難であったことや,データ分析に必要となるコンピュータの入手にあたって納期の長期化などの影響を受けたことによる。次年度においては,データ解析用,ならびに,オンライン実験に利用可能なコンピュータ購入のために研究費を使用し,データ収集のための実験プログラムの作成や調査参加者へのに対する謝礼金支払いのために研究費を使用する予定である。
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