研究課題
最終年度の研究成果として、研究分担者の博士論文 "A Mixed Methods Study on Formative Assessment of EFL Writing of College Students in Japan: Focusing on the Effectiveness of Schematized Teacher Feedback on Coherence"の一部において本科研課題を取り入れた研究結果を発表した。談話注釈タグ付けツールを用いることで、1)教員による「構成」に関する分析的評価を可能にし、2)学習者の修正作業を効率的に促進させ、3)学習者の「一貫性」に対する理解を促すという仮説を検証した。3)については介入を伴う収斂的混合研究法を用い、検証は、テキストにコメントや修正案を書き込んだ従来型のフィードバックによる対照群の比較によって行った。量的および質的分析研究結果を総合的に解釈すると、日本語母語話者である日本の大学生を対象に、学生の書いた英語論証文の構造を樹状図として図示化し、教員によるフィードバックを行うことは、1)英語論証文の作文能力の得点評価においては、総合的にみて必ずしも有用性は確認できなかったが、一貫性の破調といったテキスト単位での評価、あるいは図示化されたテキストの構造の形状といった点では介入効果が確認された。2)書き直し作業における時間対効果は明らかに介入群の作業時間が短かかった。図示化した形成的フィードバックは、修正の際の読み直し作業において学習者の認知的負荷を軽減し、作業時間の短縮を促し、「構成」以外の「語彙」や「言語使用」に対する作文能力資源の分配ができる可能性が示唆されたと推察される。3)学生の英作文における「構成」や「一貫性」への理解や気づきといった情意面においてもその有用性については評価できるという結論に至った。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
日本応用言語学会 JAAL in JACET Proceedings
巻: 6 ページ: 57-64
Unpublished Doctoral dissertation, Waseda University, Waseda University Repository.
巻: n/a ページ: n/a