研究課題/領域番号 |
20K00757
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
小林 薫 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (50804019)
|
研究分担者 |
萩原 明子 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (50266904)
内藤 麻緒 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30410062)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | メタディスコース / コーパス分析 / 英語教育 / 生命科学 / 論文指導 |
研究実績の概要 |
2021年度の目標だったコーパス(①目標言語コーパス:実験論文480編、②研究者コーパス:実験論文79編、③学生コーパス:実験レポート120編)の構築を完了した。ただ学生コーパス(授業の一環で学生が書いた実験レポート)は、課題の指示を改善し、2022年度中にさらにデータ(約360編)を追加する予定である。2021年度は以下の3つの成果発表を行った。 1つ目は、①と本研究課題の補助事業期間以前に構築した学生(学部生と大学院生)のコーパス(アブストラクト)を用いて、アブストラクトにおいて研究者と学生間および大学院生と学部生間でメタディスコースマーカー(transitions, frame markers, endophoric markers, evidential markers, code glosses, hedges, boosters, attitude markers, self mentions)の使用に違いがあるかを探索的に分析した。(口頭発表「AILA 2020(2021に実施)」、論文発表「日本英語英文学」第31号)。 2つ目は、昨年度の目標としたself mentionsである一人称”we“の分析である。②の研究者コーパスを使用することとしていたが、まずは①の目標言語コーパスで、”we”の用法(論文における出現箇所、言語背景の影響、共起する動詞)を調べた(口頭発表JALT 2021)。 3つ目は、2つ目の研究の中で、”we”と共起するhedgesとboostersの使用をさらに細かく分析した(「東京薬科大学研究紀要」第25号)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルバイトの学生を雇い、目標言語コーパスと研究者コーパスのテキストファイル化ができた。学生コーパス構築のために英語授業の中で実験レポートの課題を出し、データを収集したが、methodが箇条書きになっているものが多く、課題の指示を修正した上で再度データ収集することにしたため、若干遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度の目標を以下3つとする。 1. 学生コーパス、研究者コーパス(下書きとジャーナル掲載の二つのサブコーパスから成る)と目標言語コーパスに於いてメタディスコースの使用の違いを同定する。その過程で、日本人研究者が過剰・過少使用するメタディスコースマーカーを同定し、英語作文指導で使用できるようにまとめる。 2. 生命科学分野の論文の中のmoveとmoveの間で使用されるメタディスコースマーカー(transition, frame marker)を同定する。 3. PLOS Journalsのコーパス(約10万編)を新たに作成し、論文のセクションごとに”we”の使用を分析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度8月にオランダで開催された国際応用言語学会(AILA)にて研究分担者1名とともに対面で発表する予定だったが、コロナ禍でオンライン開催となり、渡航費と滞在費が不要になった。同11月に開催された全国語学教育学会(JALT)の年次国際大会(静岡)もオンライン開催となり、発表者4人分(学生1人を含む)の交通費と滞在費が不要になった。 2022年度末に米国ポートランドで開催される米国応用言語学会(AAAL)とTESOL学会(他言語話者を対象とした英語教育学会)にて発表することを研究分担者1名と目指している。その他、11月に福岡で行われるJALT International Conferenceにも出席を予定している。その他、コーパス構築のためのスキャナー、move分析のアルバイト費、執筆予定の論文や発表の英文校閲にかかる出費、分析専用のパソコンの購入を予定している。
|