研究課題/領域番号 |
20K00760
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
印 省熙 早稲田大学, 文学学術院, 教授(任期付) (10445702)
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研究分担者 |
山田 佳子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (10425366)
白 寅英 獨協大学, 国際教養学部, 非常勤講師 (80749945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 韓国語学習者 / 誤用防止 / 指導案 / ドリル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語母語話者韓国語学習者の誤用研究から得られた誤用・正用のデータを用い、韓国語指導に役立つように、誤用防止のための指導案と、誤用防止のための実践的なドリル問題を盛り込んだ教材を開発し、誤用研究の成果を韓国語教育の現場に還元することである。これまで本研究陣は、「学習者の作文資料における誤用の研究」を行い、韓国語指導の際に教師用参考資料として活用できるよう、『韓国語誤用防止のための手引き-作文の誤用例に基づく指導案-』(私家版)(2018、pp.1-71)を作成した。この指導案が韓国語教育の現場において広く活用されるよう、本研究では指導項目を拡充し、指導内容を補完するとともに、新たに誤用防止のためのドリル問題を開発して加え、日本語母語話者の韓国語運用能力の向上に資することを目的としている。 研究計画通り、研究代表者・研究分担者・研究協力者は、研究1年目は、各人が誤用防止のための指導案項目と内容の拡充につとめながら、ドリル問題の素案について意見交換をした。現在は指導案内容の拡充について、検討を重ねており、ドリルの素案についても、次年度の本格的なドリル問題作成に向け、基礎的研究を進めている。また、本研究資料のうち、誤用例のデータベース(試行版)を作成し、学習者作文(総数3,892文、36,375語節)の原文と添削入りの修正文のワード版を完成した。そして学会での発表を通し、その内容と利用の方法を紹介し、希望する研究者に無償で提供をはじめた。これらのデータは試行版であるため、今後、利用しながら修正・補完をしていく予定である。研究の過程で、研究代表者は、「初級における誤用防止のための授業における教育実践事例」を論文として公表し、研究分担者は、「語彙指導に関する研究」を論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年初年度はコロナの影響により、研究者がオンライン授業の対応に追われ、研究時間の確保が難しい状況が続き、最初の計画を変更せざるを得なかった。その中でも、指導案の項目拡充とドリルの試案作成等について個別に研究を進め、定期的にオンライン会議を設けてそれぞれの研究内容を議論し合い、意見交換を通して問題点を見直し、補充点を明確にしていく作業を緻密に進めてきており、なお個別の研究発表や論文作成などで研究の成果を公表している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、誤用防止のための指導案の拡充を図りながら、ドリル集の作成に重点をおき、指導案の項目についてドリル試案を作成し、ドリル内容の適格性について議論・分析し、誤用防止に寄与するドリル集作りに邁進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、国内の学会出席や、海外への研究出張ができなかったため、次年度への繰り越しが発生している。次年度に使用する予定である。
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