研究課題/領域番号 |
20K00780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
三野宮 春子 大東文化大学, 文学部, 特任准教授 (90632406)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | L2スピーキング活動 / 相互行為分析 / 即興 / マルチモダリティ / ジェスチャー / 創造性 / インプロ(即興劇) / 遊び |
研究成果の概要 |
本研究は、インプロの原理や手法を応用した外国語アクティビティを開発し、使用時の相互行為過程をマルチモーダル会話分析により微視的に検討した。その結果、空間共有型コミュニケーションにおいて、言語的資源は身体的資源や物理的資源と複雑で密接な関係を結ぶことを通してその意味や機能を全うし得るということを示す事象の詳細を明らかにした。また、発話内容と身体表現の調和/齟齬が言葉の自然さ/不自然さに影響するという指摘を行った。言語は抽象的な記号の体系であるため、身体化を伴わない言語学習では、具体的な対象や環境から乖離した不自然な発話ばかり生産される危険がある。身体化は真正な相互行為に貢献する中心的要因である。
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自由記述の分野 |
L2相互行為分析
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空間共有型の相互行為は、物理的環境に埋め込まれた参与者の身体を通して行われている。よって、自然な会話では言語的資源の他にも様々な身体的・物理的資源を利用しながら意味交渉を達成するが、L2教育では言語だけが特権的な資源のように位置付けられてきた。本研究の結果、言語記号の抽象性と非言語的資源の具体性が相補的に意味状況の全体を構成するするだけでなく、身体的な動作やイメージ、空間における身体の位置取りや移動などが発話を動機づける現象が確認できた。これにより、現在まで外国語教育が利用し得ていないコミュニケーション資源としての身体性の活用について、学術・教育実践の両面で更なる探究を進める利点が示唆された。
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