研究課題/領域番号 |
20K00782
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
久島 智津子 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (80623876)
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研究分担者 |
来住 伸子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50245990)
廣森 友人 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (30448378)
山本 裕一 北海道大学, 情報基盤センター, 助教 (10240128)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | eラーニング / 自律学習 / 協調学習 / Bot / ライティング / 学業援助要請 / 学習ストラテジー / 自己モニター |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,大学生が目的に応じたライティング活動に従事し,自己モニター機能や学習者の相互作用を通じて,ライティング力の向上を支援するシステムを研究開発し,協調学習・自律学習における有効性を検証することである。 2021年度では,システム内の学習ページの開発を終え,パイロットスタディで運用し,主にユーザビリティを調査した。学習ページは,仮想メンバーであるBot(ロボットエージェント)も含めて他者から学び合えるオンライン・フォーラムをベースとした参加者の共有領域(協調場)と個人の学習領域を併せ持つシステム設計に基づき開発された。自律学習を支援するために,学習者が課題に取り組む際に参考にできる複数の支援ツール・機能も実装された。学習者は課題完成に向けて,他の学習者やBotが提示するモデル文や助言,関連する表現,チェックリストを自分の意思で選択し活用できる。2022年3月にパイロットスタディとして大学生8名に主にユーザビリティを調査した結果,多少改善すべき点はあったものの,ピア・レスポンスの機能をはじめ全体に使いやすいという評価を得た。 また,予備調査として,学習者の英語熟達度と言語学習ストラテジー,学習につまずいたときの学業援助要請態度との関係についての質問調査を,システムを利用予定の大学生49名に行った。調査結果から,英語熟達度上位群の方が多様な言語学習ストラテジーを使用し,学業援助要請態度が自律的であることが確認された。一方,英語熟達度中~下位群は,自身の学習をコントロールする力が十分でなく,つまずきの内容自体を把握できていない可能性があると推察される。次年度は,システム内に付加する学習自己モニター機能を実装し,複数のクラスでシステムを運用する予定である。運用後は,各ツールや機能の使用実態調査を行い,学習者がシステムを自律的に利用できているか分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では,学習ページの開発は年度前半に終えて年度内中に複数の授業で運用する予定であったが,当初開発を依頼していたシステム業者が開発を遂行できず,別のシステム業者が開発することとなった。学習ページは年度内に完成したが,授業での運用は22年度に持ち越された。一方,システム運用調査との比較のために,学習者の英語熟達度と言語学習ストラテジーや学業援助要請態度との関係についての調査を行い,自律学習に関する研究を推進した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)システム内に付加する他の機能の実装:開発業者と定期的に打ち合わせを行い,システムの企画検証も機能またはページごとに行う。 (2)システムの運用:協力者の英語教員と共に授業で運用し,システムの運用検証を確実に行う。 (3)学会への発表:本研究は複数の研究課題を掲げており,研究課題ごとに検証結果を学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に研究課題を遂行するために必要なシステム開発費を計上していたが,当初発注していた業者が遂行できなくなったため,業者を変更後,リスク管理のためシステム内の機能またはページごとに発注・請求してもらう方法をとった。2021年度は,システム内で実装が完了した学習ページのみの開発費が生じた。他機能の実装は2022年度に行い,実装完了後に支払いが生じる見込みである。 2022年度はシステム内の機能実装費,運用・保守管理・データ分析に関連した物品費,研究協力者への謝金,学会発表のための旅費,研究課題発表のための図書資料代などが生じる予定である。 物品 603(千円)(図書資料代,授業運用用のiPad,PC周辺機器,統計用アプリケーション)/謝金 260(千円)(研究協力者への謝金)/その他 800(千円)(システム開発に伴う業者への支払い)計1663(千円)
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