研究課題/領域番号 |
20K00782
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
久島 智津子 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (80623876)
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研究分担者 |
来住 伸子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50245990)
廣森 友人 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (30448378)
山本 裕一 北海道大学, 情報基盤センター, 助教 (10240128)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | eラーニング / 英作文 / 使用語彙 / 自律学習 / 協働的学習 / 自己モニター / 学習者エンゲージメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,大学生の英作文力の向上を支援する,自己モニター機能や協働的学習の領域を備えたシステムを研究開発し,自律学習・協働的学習における有効性を検証することであった。前年度にシステムCoconutsの開発を終え,2023年度は,前年度に続きCoconutsを大学の授業で運用し,次の2点を研究課題に設定して検証を行った。1)Coconutsを利用した大学生の学習者は自己省察を深めたか。2)Coconutsの協働的な学びの環境は大学生の学習者個人の主体的な学びを促進したか。 Coconutsは,学習頁と英作文分析頁から構成され,学習頁では学習者は個人学習と協働的学習の領域を往還し,協働的学習の領域では参加者同士で学び合える。英作文分析頁は,学習者自身の英作文の使用語彙や文数,文の複雑さ等が自動的に数値で表示され,学習者は自己省察しコメントを記入できる。 Coconutsを運用したクラスは大学1年生の英作文の2クラスで,学習者は,プロセスライティングの手法で4課題に取り組み,Coconutsでは第一稿の作成と第一稿のピアレスポンス活動,自己省察を行った。Coconuts利用後に本活動と普段の学習における自律学習や協働的学習に関する質問調査を参加者に行った(有効回答者数は19名と20名)。研究課題1)については,7割以上の参加者が本活動の自己省察から自覚した事項があり,自己省察後に改善への意欲を高めた参加者が複数観察された。研究課題2)については,参加者が協働的な学びの環境から様々な視点を獲得たことが確認された。 結論として,本活動の参加者の多くがCoconuts内の個人学習と協働的学習の領域を往還し,自己省察も行いながら主体的に学び,自己の英作文の向上を図ろうとしていたと考えられる。本研究は,学習者の学びの手法を拡大し,ライティング学習や指導の在り方に貢献するものであろう。
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