研究課題
外国語で円滑なコミュニケーションを図るためには,語彙力の増強が重要である。ある程度語彙力が定着した時点では,単語を項目学習(item learning)するだけでなく,体系学習(system learning)を導入することによって,学習効果を上げる方法が推奨されてきた。例えば,irregularityという単語を学習させる場合,ir- (反対の意味を表す接頭辞) + regular (語幹) + -ity (名詞化の接尾辞)という語構成を理解させれば, 他の接辞のついた単語irresponsibleや personalityのような未知語に出会った時に,接頭辞や接尾辞の汎用的な知識で,単語の意味や品詞を推測することが可能である。しかしながら,日本語母語話者の英語学習者を対象として先行研究は,接辞の知識を多面的も診断していない点や接辞の体系的指導の効果を検証していない点が課題として残っていた。これらの課題を解決し,指導システムを構築することが本研究の目的である。今年度は,英語学習者の接辞習得の測定法の妥当性を検証し,その問題点を明確にすることであった。英語学習者の接辞の習得を診断できる問題形式をできるだけ多くし,Paper-pencil版のテストを複数作成してパイロット調査を行う予定であった。しかし,COVID-19の流行で対面授業が著しく制限されたため,昨年度までに収集したパイロット調査の結果から,接頭辞や接尾辞の受容的・発表的知識の習得を測定するOnlineテストを開発した。さらに,仮説に基づく指導法により,Onlineによる計10回の集中訓練をの学習プログラムを編成し授業に導入した。指導の事前と事後にOnlineテストを実施し,データを収集した。このデータを項目応答理論を用いて信頼性・妥当性を検証する準備が整った。
2: おおむね順調に進展している
接辞の習得度合いを測定するOnlineテストと,仮説に基づく接辞の集中訓練のためのOnline教材を構築することができた。さらに,オンライン教材によって,事前と事後の接辞の習得度合いを検証するためのデータを収集することができた。
接辞習得のための集中訓練の事前・事後に実施した接辞のOnlineテストにより収集したデータを検証し,テストの信頼性・妥当性,接辞習得のための集中訓練の効果の検証を行う。Onlineテストや集中訓練のための学習コンテンツに不十分な点があれば改善を図り,さらに今年度後期の授業で実践に活用する。
Covid-19の感染拡大のため,参加を予定していた学会が全てオンライン開催となった。今年度もオンライン開催となる見込みのため,最終年度の成果発表に充当する予定である。
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