研究課題/領域番号 |
20K00784
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
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研究分担者 |
折田 充 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (60270386)
片桐 一彦 専修大学, 文学部, 教授 (00337726)
磯 達夫 東京電機大学, 工学部, 教授 (40438916)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 英語語彙 / 接頭辞 / 接尾辞 / 習得順位 / 診断テスト / 体系学習 / オンライン学習 |
研究実績の概要 |
2021年度は,(1)日本語を母語とする英語学習者の接辞の知識を診断するonlineテストを完成すること,(2)試作した計10回(接頭辞・接尾辞各5回)の接辞の体系的なonline学習システムを学習者に提供し,その効果を検証することであった。 Online版テスト開発では,接頭辞15,接尾辞15をそれぞれ2問ずつの出題として,合計60問の試験を実施した。そのテストスコアをIRTで分析した結果,5つの問題項目でモデルにfitしない問題があったが,これらの項目を改善すれば,全体としては信頼性の高い妥当な問題であることが証明された。 接辞の体系的なonline学習システムの開発では,初年度のパイロット調査に基づいて「Affix Master 10」を構築した。このシステムは,1回20分程度で学習が完了するコンテンツが10回分準備されている。各回とも (1)ビデオ視聴、(2)VOCALS(携帯端末向けフラッシュカード型単語学習システム)による復習、(3)復習課題シートの提出,の3部で構成されている。実験では、「Affix Master 10」による接辞の直接指導を10週間行うことで、学習者の接辞の知識が向上するかどうかを検証することを目的とした。具体的には、接頭辞23(否定形5、反意語4、位置関係3、その他接頭辞11)、接尾辞31(名詞-人称5、名詞-抽象10、形容詞11、その他接尾辞5)を5回ずつに分けて総合的に学習させた。学習システムでの学習前,5回の接頭辞の学習後,さらに5回の接尾辞の学習後の3回にわたって学習成果を調査した。テストの結果を時系列で比較したところ,接頭辞の5回分の学習直後に接頭辞のスコアが大幅に向上し,接尾辞の5回の学習直後に接尾辞のスコアに大きな伸びが認められた。学習システムによる直接的な接辞指導の効果が実証された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
接辞の習得度合いを測定するためのOnline版接辞テストと,仮説に基づく接辞の集中訓練のためのOnline教材「Affix Master 10」を構築するという2つの目的が達成できた。また,オンライン教材による学習の事前と事後の接辞の習得度合いを検証するための本実験のデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
接辞習得のための集中訓練の事前・事後に実施した接辞のonlineテストにより収集したデータを分析し,テストの信頼性・妥当性,接辞習得のための集中訓練の効果を検証する。最終年度にあたる来年度は,開発して実用段階となったonlineテストや接辞の学習システムのコンテンツに不十分な点があれば改善を図る。さらに今年度後期の授業で最終的な追実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国内外の学会がオンライン開催となり,旅費が大幅に節約できた。今年度も,同様の事態が想定されるため,学習システムの開発に予算を転用する予定である。
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