研究課題/領域番号 |
20K00790
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
平井 素子 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20723547)
|
研究分担者 |
PEREZ.R Andres 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (20803117)
寺尾 美登里 立命館大学, 政策科学部, 授業担当講師 (80751411)
横山 友里 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (80778944)
小橋 さおり 順天堂大学, 国際教養学部, 助教 (40831772)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | スペイン語 / 短期留学 / 教材開発 / 葛藤 / 動機付け / BEVI / オンライン留学 |
研究実績の概要 |
2020年度の当初の計画は主に、1)予備調査を終え、結果を国際学会で発表すること、2)本調査の実施、3)教材作成のための現地調査を行うことであった。 2020年度前半は、前年度から実施していた予備調査を終え収集したデータを分析した。言語面では、留学前後でDELE(スペイン教育・職業訓練省が発効するスペイン語検定試験)のリスニングとスピーキングのテストを受験してもらい、効果を測定した。結果、大学で第2外国語としてスペイン語を学習し始め8か月程が経過したスペイン語学習者の口頭でのやり取りの技能の修得レベルは他の技能(リスニング、一方向のスピーキング)と比べると低く、留学先で必要な技能であるが、留学前にはそれがほとんど身についていない可能性が示唆された。予備調査の結果を国際学会で発表する予定であったが、新型コロナウイルスの影響を受け、開催中止となり、2021年度に発表することになった。また、2)と3)についても同様の理由で、実施不可能となり2021年度に実施予定である。 2020年度後半は、本調査と現地調査を実施できなかったため、教材開発の一部を前倒しして進めた。具体的には、前年度の事前研修で使用した教材の見直しを行い、教材を一方的に与えられてそれを習得するタイプのものではなく、例示から自分に置き換えて自ら創出、産出するタイプの教材に改善した。また、ヨーロッパ共通参照枠のA1、A2レベルのやり取り(書く、話す)の技能向上のための教案、教材作成に取り組んだ。作成した教材を試用した実践報告をJACTFLの第9回シンポジウムで、SNSを利用したやり取りの技能向上のための取り組みを国際学会で発表し、論文にまとめ投稿した。また、情事面では、オンライン留学の参加者に対しても調査、研究を行った。他に、新たにBEVIを使った留学効果測も実施することにし、BEVI使用のための研修を受けた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大により、当初の計画の大幅な変更を余儀なくされた。具体的には、発表を予定していた学会の開催が翌年に延期され、短期留学の派遣自体が中止となり、本調査と現地調査の実施が不可能となった。よって、これらは次年度に繰り越すことにした。一方で教材開発の方は、当初の予定より前倒しして進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度はオンライン留学を含めた調査の実施および収集したデータの分析を行う。具体的には、留学効果測定のため留学参加者への調査を3つの側面(言語面、情事面とBEVI)から行う。実際に現地へ行く留学とオンライン留学との相違点について明らかにする視点も入れて考察をし、分析結果を発表する。並行して教材開発の一部を進める。具体的には、以下の2点に取り組む1)先行研究で明らかになっている現地で体験する葛藤や誤解の事例を基に、問題回避や解決のための教案、教材を作成する、2)A1およびA2レベルのやり取り(書く、話す)の技能を身に着けるための教案、教材作成を継続して行う。長期休暇中には、教材作成のための現地調査も予定している。モデル会話作成用の現地のレストラン、ショッピングモールや受け入れ校での実際の会話とリスニング教材用の空港や駅のアナウンスを現地で録音、録画する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、予定していた本調査と現地調査を実施することができなかった。よって、本調査と現地調査実施のために確保していた予算の執行が次年度に繰り越され、その経費分をそのまま次年度へ回すことにした。
|