研究課題/領域番号 |
20K00790
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
平井 素子 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20723547)
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研究分担者 |
PEREZ.R Andres 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (20803117)
寺尾 美登里 立命館大学, 政策科学部, 授業担当講師 (80751411)
横山 友里 中京大学, グローバル教育センター, 外国語嘱託講師 (80778944)
小橋 さおり 順天堂大学, 国際教養学部, 助教 (40831772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スペイン語 / 教材開発 / 短期留学 / 事前研修 / 留学効果 / 異文化コミュニケーション / 動機付け / BEVI |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、短期留学プログラムの教育効果を向上させるための【1】事前事後研修の教材開発および【2】留学効果の測定である。教材開発は、【1】①コミュニケーション上の問題解決、【1】②会話のシミュレーションと【1】③モチベーションを向上させる方略を取り入れるという3つのフェーズ構成で行う。効果の測定は、【2】①DELE(スペイン教育・職業訓練省が発効するスペイン語検定試験)を用いて言語面を、【2】②L2 Motivational SelfSystemを基にした質問紙を使い情意面を【2】③BEVI(The Beliefs, Events, and Values Inventory)で異文化理解力等を測定する。
今年度、教材開発に関しては、先行研究で明らかになっている現地で体験する葛藤や誤解の事例を基に、問題回避や解決のための教案、教材を作成中である(【1】①)。また、現地調査が実施できなくなったため、代替案として現地の協力者に短期留学生が接する場面での会話動画の録画を依頼した(【1】②)。留学効果の測定に関しては、メキシコカルメン自治大学の協力を得てスペイン短期オンライン留学(2月~3月の4週間)の効果の測定を上述の通りの方法で実施することができた。また、情意面の効果の測定に関しては、複数のオンライン留学プログラム参加者の情意面とアイデンティティの変化を測定し、当該年度には、学習言語コミュニケーション意欲、国際的な見方を持つ国際指向性の変化とその要因に焦点を当てて検討した論文が刊行された。
上記以外にも、パイロット調査結果をもとに「やりとり」の技能向上のための教案と接近の文化を知り褒める行為と褒めに応える行為の練習を取り入れた教案をASELE(外国人のためのスペイン語教育学会)で発表し論文にまとめ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、二年続けて短期留学の派遣自体が中止となり、本調査と現地調査の実施ができていない。一方で教材開発の方は、当初の予定より前倒しして進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度からスタートした本研究は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の計画の大幅な変更を余儀なくされた。具体的には、2年続けて短期留学の派遣自体が中止となり、本調査と現地調査が実施不可能となったため、教材開発を前倒しして進め、また2021年度からはオンライン留学も調査対象とした。 22年度前半は、21年度スペイン語短期オンライン留学参加者(研究協力者)から収集したデータの分析を行い、留学効果の測定をし、結果を発表する。並行して教材開発をさらに進める。具体的には、これまでの研究結果、現地派遣型スペイン語短期留学のための事前研修での教授経験、留学した学生からの声を拾い上げて蓄積されたデータを基に、1)発信力を高めるナラティブ教材、2)現地での生活を豊かにするための会話学習向け反転授業のための動画教材、3)現地で経験する可能性のある葛藤、カルチャーショックやコミュニケーション上の問題等の解決のための教材としてまとめ、事前研修で試用できるようにする。 2022年度後半は現地派遣が可能な場合は本調査と現地調査を実施する。同時に可能であればオンライン留学の調査も継続し、実施形態が異なる2つの留学のメリット、デメリットを明らかにする視点を入れて考察をし、研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今年度予定していた本調査と現地調査を実施することができなかった。また、国際学会の開催がオンライン開催となった。よって、本調査と現地調査実施ならびに学会発表のために確保していた経費分が未使用となった。次年度執行予定である。
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