研究実績の概要 |
本研究の目的は日本語・韓国語・中国語・独逸語を母語とする話者による英語句動詞類の第二言語習得実験研究を行い、習得難易度と中間言語などを特定し、母語の影響及び学習可能性・教育効果などを検証することである。そのために、動詞(verb)と副詞辞(adverbial particle)でなる英語句動詞の意味的・統語的特性の考察を行い、その分類と分布図を完成させる。同時に、副詞辞を選択しない言語(日・韓・中・独)の日本語と韓国語の複合動詞や後置助詞、中国語の複合動詞と前置詞(介詞)、独逸語の接頭辞と前置詞などの対照理論研究を行いながら、日・韓・中・独における英語第二言語習得実験研究を実施する。 本年度(初年度、令和2年)は、文献研究としては英語と日本語の対照研究を中心に、英語の動詞+副詞辞の分析を行った。まず、英語前置詞と副詞辞の理論研究の目的は、意味・統語的特性(Lemmatic Properties): ±Directional, ±Physical, ±Dimension, ±Aspectual)を含む包括的且つ本格的な理論研究を行っている。英語の句動詞は意味的・統語的特性を考慮に入れ、さらに頻度の高いものを研究対象に選別した。対象言語である英語はより頻度の高い動詞グループ(4つのグループ:go類; take類; pull類;cut類)と最もよく用いられているとされる副詞辞 (up, out ; off ; down, on, in ; away, into, around )を中心に理論研究を行っている。副詞辞を含む英語句動詞の統語的特性による分類は分離形、非分離形、疑似自動副詞辞を用いた。 英語の頻度の高い動詞グループと副詞辞の統語的特性を中心に日本語との対照理論研究を行い、分布図などを作成した。その分布図の検証は、令和3年度に計画している。
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