研究課題/領域番号 |
20K00796
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥崎 真理子 函館工業高等専門学校, 一般系, 教授 (80233451)
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研究分担者 |
森谷 健二 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (90342435)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視線追跡装置 / 視線解析 / 英語二重課題 / 自律学習支援 |
研究実績の概要 |
本研究は,「英語二重課題取組時の視線追跡から導く自律学習支援」のパイロット研究である。この研究の最終目的は、TOEICテストのリスニング問題に苦しむも「何に困っているか言葉で伝えられない」と悩む函館高専の学生を被験者とし、学生がリスニング問題に取り組む際の視線を記録し、視線の動向を可視化した上で、学生自身にリスニング問題を解く最中の自分の視線の動向を確認させ、自身の英語音読時の視線動向等も比較させながら、自らの認知プロセスを客観的に自己分析させる。このメタ認知的活動を通じて、学生に学習方策の自律的改善を導く学習支援方法を確立し、その有用性を検証することである。2021年度は、TOEICテストで500~600点を有する2名と300点以下の2名の学生の同意を得て、4名の被験者に研究を行った。被検者に一人ずつ実験を行い、TOEICテストのリスニングPart3の問題を解答中の視線を記録した。このパイロット研究(1)の目的は、TOEICテストのスコアが高い学生と低い学生では、リスニング問題解答時の視線の動向がどのように計測され、また計測データにどのような相違点があるかを検証した上で、この視線追跡を通して、TOEICテストのスコアが低い学生に、自身の認知プロセスを客観的に自己分析させ自律的な学習支援を導くための手がかりを掴むことであった。今回の実験は、TOEICテストのPart3から1題(対話文形式の問題・設問3つ)の視線追跡を行ったが、100秒程度のリスニング問題で、TOEICテストのスコアが低いX(被験者①・被験者②)とスコアが高いY(被験者③・被験者④)で7つの相違点が考察できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、新規の「音読道場」受講者である高専2年生2名と実験継続の高専3年生を対象に英語二重課題取組時の視線追跡実験と自律学習支援を実施、学生の自律的な学習方策の継続性と学習支援の有効性,研究の再現性を検証、本研究成果を研究分担者と学協会にて発表し,新規の知見を共有化、合わせて先行研究調査を研究目的と定めていた。新型コロナ感染拡大による、国内外への出張制限もあり、研究成果発表はオンラインでの学会発表2件にとどまった。また、研究協力学生が、TOEICテストを実際に受けている4年生と5年生、専攻科生になり、遠隔授業による登校制限も相まって、当初の予定である2年生・3年生のリクルートができなかった点が計画に反してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、新規の「音読道場」受講者である高専2年生2名と実験継続の高専3年生、高専4年生を対象に英語二重課題取組時の視線追跡実験と自律学習支援を実施する。そして、実験参加学生の自律的な学習方策の継続性と学習支援の有効性,研究の再現性を検証する。更に、本研究成果を研究分担者と学協会にて発表し,新規の知見を共有化することを、新型コロナ感染拡大防止による制約を受ける中でも、研究推進方策の目的としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ拡大防止対策により、国内外の学会や先行研究調査が滞ったため、旅費分の使用ができなかった。2022年度には、国内外の研究発表を増やし使用する計画である。
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