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2020 年度 実施状況報告書

留学の学習効果に関する縦断的研究:学習者のロシア語習得過程と異文化への意識の変容

研究課題

研究課題/領域番号 20K00802
研究機関大阪大学

研究代表者

横井 幸子  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (70635119)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードロシア語教育 / CAF分析 / 第2言語習得 / 留学
研究実績の概要

本研究では、留学中の第2言語習得過程と異文化理解能力の相関性に注目し、留学の学習効果を明らかにすることを目的とする。研究課題は以下の通りである:a) 日露交流やロシア語圏への留学を通じて、ロシア語学習者は、どのような第2言語習得過程を経るのか?b) 日露交流を経験して、あるいは海外留学期間中、ロシア語学習者の内面、特に異文化に対する意識がどのように変容するのか?

初年度にあたる2020年度は、新型コロナウィルスの影響により、研究活動が著しく制限された。留学や日露交流事業そのものが全てキャンセルされたため、データ収集する対象もフィールドもそもそもない上、フィールドワークを主とするデータ収集も不可能な状態がいまだに続いている。そこで、留学経験者から留学期間1年分の膨大な量の言語データの提供を受け、第2言語習得過程の詳細な分析を進めている。

最近の第 2 言語習得理論(SLA)研究の成果より、学習者の第 2 言語能力を複雑さ(Complexity)、正確さ(Accuracy)、流暢さ(Fluency)から評価する CAF 分析が開発され、より多角的に言語習得過程を検証することができるようになってきている。2020年度は、上記の音声データを文字起こしをしてCAF 分析を行い、学習者の言語習得がどのように進んでいるのか、その第2言語習得過程を量的に検討している。 現段階では1年間約12時間分の音声データの文字起こしが完了し、CAF分析を行なっているところである。2021年度中に音声データについては分析を終わらせ、その研究成果については関連学会で報告し、さらに学術論文として発表する予定にしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、日本でロシア語を学んでいる高校生を対象として、日露交流や留学における第2言語習得過程と異文化理解能力の相関性を明らかにすることを目的としていたが、新型コロナウィルスの影響により、長期留学や短期の日露交流プログラムの実施する高校がなかったため、フィールドワークが行えずデータも収集することができなかった。代わりに、ロシア留学経験者の日本人大学生から1年分の言語データの提供を受け、ロシア語習得過程のデータ分析を行なった。

今後の研究の推進方策

本研究はテーマそのものが留学の学習効果を調査するものであり、新型コロナウィルスの影響を直接受けている。今後は、今既に提供を受けている留学中の言語データの分析を進めると共に、提供者にインタビューするなどして異文化理解能力との相関を調査する予定にしている。また、状況がすぐに変わらないことも視野に入れながら、オンラインでのデータ収集方法や、ロシアへの留学経験のある日本人や日本在住のロシア人留学生を研究対象者の拡大なども視野に入れ、研究を進めて行きたい。

次年度使用額が生じた理由

本研究は留学の学習効果を調査することを目的としていたが、2020年から新型コロナウィルスの影響により留学や日露交流プログラムは全てキャンセルされており、フィールドワークを主とするデータ収集が不可能となったため、旅費等が全く発生しなかったため。代わりに留学経験者から膨大な言語データの提供を受けたため、そのデータ分析に取り組んでいる。2021年度は分析を続けるとともに、オンラインでのデータ収集の方法を考えている。

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公開日: 2021-12-27  

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