本研究は,科学英語論文において,書き手のヴォイス (Voice) がどのような文体や語彙で表現されているか,その言語資源の実態をメタ談話分析の理論的枠組みに基づいて分析し,科学英語論文の書き手が読み手を導く修辞技法についての新たな知見を得ることを目的に実施された。Iや Weなどの一人称代名詞,mightやcouldなどのHedge表現,remarkably, clearlyなどのBooster表現の出現頻度に着目する量的分析に加えて,文脈を考慮した上での質的な分析により,科学論文における書き手のVoiceを先行研究より詳細に,且つ体系的に説明したところに本研究の新規性がある。
|