研究課題/領域番号 |
20K00814
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宇佐美 裕子 東海大学, 教養学部, 准教授 (20734825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コーパス / 言語テスト / 日本の大学入試問題 / 語彙・文法問題 / 英検 / TEAP / TOEFL / TOEIC |
研究実績の概要 |
本研究は、「Exam Corpus」の構築と、コーパスとコーパスの検索・分析技術が言語テスト分野(言語テスト作成・改良)にどのように応用できるかについて検証している。 2021年度は、引き続き1)「Exam Corpus」の構築と、2)コーパスの検索・分析技術を使用した英語検定テストの検証を行った。1)「Exam Corpus」の構築に関しては、(1) 英語検定テスト(2000年~2023年の私立大学入試問題、英検の準1級~3級、TEAP、Cambridge English QualificationsのA1~B2、Linguaski ll、TOEFL ITP、TOEICの Part 5の語彙・文法の過去問題を収集し、1問1ファイルに入力し、総数約25,000問を収集した「Exam Corpus」を構築し、(2)各語彙・文法問題に、英語検定テスト名、 技能(語彙/文法)、語彙・文法項目、CEFRレベル、難易度、弁別度、錯乱肢の選択率をタグ付した。また、2)コーパスの検索・分析技術を使用した英語 検定テストの検証に関しては、(1)「Exam Corpus」と、コーパスの検索・分析技術(ワードリスト、n-gram、キーワードリ スト、コロケーション等)を使用し て、全英語検定テストの語彙問題におけるCEFRレベルごとの頻出の語彙項目の抽出と、頻出の語彙問題(特に句動詞)に使用されている問題文を一般コーパスであるBritish National Corpusと比較して検証した。その成果は所属大学の紀要に掲載され、Language Testing Forum (LTF)で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、自宅で過ごす時間が多かったため研究時間に充てることができたが、学生と対面する機会が減ったため、学生からのデータを収集できず、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、1)「Exam Corpus」の構築を引き続き行い、「Exam Corpus」と、コーパスの検索・分析技術(ワードリスト、n-gram、キーワードリ スト、コロケーション等)を使用し て、全英語検定テストの文法問題におけるCEFRレベルごとの頻出の文法項目の抽出を行う。さらに、(3)頻出の文法項目から誤用が多いものを選定し、英作文問題を作成して日本人大学生英語学 習者の頻出文法項目の英作文の誤用を収集した「英作文コーパス」を構築する ことを目標としている。 また、2)コーパスの検索・分析技術を使用した英 語検定テストの検証に関しては、引き続き(1)「Exam Corpus」と、コーパスの検索・分析技術(ワードリスト、n-gram、キーワードリ スト、コロケーション等) を使用して、各英語検定テストの語彙・文法問題におけるCEFR レベルごとの頻出の語彙・文法項目を検証し、(2)同様に、問題文(stem)と錯乱肢に使用されてい る 語(句)、難易度、弁別度、錯乱肢の選択率ごとに頻出の語彙・文法項目を検証していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、当初計画していた海外での研究や海外での学会発表ができなかったため、大幅に次年度に繰り越すこととなった。2022年度以降は、可能であれば、 海外での研究や学会発表、学生へのデータ収集協力への謝金、英語論文執筆のための英文校正費用に充てる予定である。
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