研究課題/領域番号 |
20K00818
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
執行 智子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (10789697)
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研究分担者 |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (40454186)
執行 洋子 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (90789009)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小学校英語 / 初等英語教育法 / 隣接校種の教員免許状 / 専門科目 / 数学CLIL / 言語使用域 / 対話 |
研究実績の概要 |
2年目である2021年度は、シラバス開発・作成期間として、海外小学校教科書の分析、及び、2020年度に東京23区にて実施した「隣接校種の教員免許状取得のための単位軽減措置において、中学校教員で小学校教員免許状を取得し、小学校に配属された現職教員の実態調査」の結果と「小学校免許取得の軽減措置パッケージ通信教育の受講生の実態調査」の結果をもとに、シラバス開発のための先行研究の分析を行った。具体的には、後者の結果として、当該受講生が一番多い数学教員を対象にした小学校における数学CLILの可能性とそのために必要な教師の言語使用について調査分析を行った。その結果、数学CLILを行うために教師は、英語を使用して「具体的な経験をするための作業に必要な手順や概念をわかりやすい英語で言える」「内容に関わる語彙や抽象的概念を日常の生活に結びつけて英語で説明できる」「児童一人一人の学びに合わせて英語で対話できる」ことが必要であることがわかった。また、それを実践するためには、「CLILにおける言語の役割は学習するために必要な言語を構築する言語使用域」と「教室での社会的活動を操作する言語使用域」の双方においての言語使用が必要であり、また、CLILで欠かすことのできないcommunication実践のためには、教室においての対話の(1.the teacher’s Initiation、2.the student’s Response、3.the teacher’s Follow-up or Feedback)が肝要となることがわかった。以上を実践するためには相当の英語力を必要とするが、先行研究の分析から計算の答え合わせのやりとりでは,担当する教師は翻訳した台本を覚え練習すれば,作業に必要な手順や概念をわかりやすい英語で言えたり、児童と共に,英語である程度対話を持続できることもわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シラバス開発及び作成に関しては分析が進んでいるが、新型ウイルスコロナ感染予防のため、国や県を跨ぐ移動を伴うCLIL型授業と教員養成プログラム視察、及び、現職中学校英語教員の協力を依頼することは実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度においても新型ウイルスコロナ感染予防のために国を跨ぐ調査などは実施できる見込みがつかないが、国内における数学CLILの事例の視察は依頼していく。また、作成したシラバスの実施に関しては、予定していた東京未来大学通信教育学部の初等英語教育法の開催方法が変更になったため(スクーリングからテキスト科目になった)、通学課程の初等英語教育法において実施し、アンケートをとる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染予防のために、国を跨ぐ調査、また、国内の視察をすることができなかったため、次年度使用額が生じた。今後、感染予防をしながら、国内の視察や教材作りおよび資料作成、さらに、文献収集に使用する計画である。
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