研究実績の概要 |
研究代表者の勤務先の大学生を対象に、5月の連休明けからZoomと広角度カメラ、集音マイクを利用し、米国の歴代名スピーチをYouTubeを利用して聞かせ、その後のアクティビティーの様子を逐次録画編集した。スピーチの日本語訳はPDFで事前に配布しておき、J.F.Kennedy, Dr. King, L. Johnsonなどのスピーチを深く理解する授業を行った。特に1960年代のスピーチは公民権運動、冷戦などの時代背景が21世紀生まれの学生には理解しにくいため、学習者の主体的な調べ学習を求め、その成果をパワーポイントで発表してもらうという授業形式にした。Cold war, Cuban crisis, Civil right movementsなど、各スピーチ中に出てくるキーワードを、英語で調べ説明してもらう。一方で「トランス・ランゲジング」の基本概念の一つである母語の活用も認め、2言語を必要に応じて併用しながら説明を効果的に実施するよう促した。前期は授業開始の遅れもあり、プレゼンテーションの機会も各学習者に1回程度と限られた。 後期授業では、前期の続きでB. Clinton, Obama, S. Jobbsなどのスピーチを題材に利用したが、学習者の発表は他人のものを見る都度改善されたものになり、内容の深化(関連図書からの引用など)、発表構成、スピーチスタイル、質疑応答などの充実ぶりには目をみはるものがあった。学生へのアンケートを数回にわたって取ったが、「不安なく英語が話せるようになった」、「自分の英語力に初めて自信を持った」等非常に好評であった。 これらの詳細に関しては、2020年11月20日開催の「大学英語教育学会」関西支部大会に於いてYouTube形式で中間発表したところ、全国から300回を超える試聴があり、質問や有益な提言も多く得たので、今後に活かしてゆきたいと考えている。
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