本研究は、基盤研究(C) 課題番号 15K02805「小学校英語教育の教科化に向けた先進的な取り組み」(2015-2017)を継続・発展するものである。 しかるに、研究初年度(2020年度)の実施時期(小学校側の要望により3学期)からコロナ禍が始まり、以降研究期間終了まで、当該小学校に一切の立ち入りが禁止されてしまった。遠隔による研究実施も試みたが、内諾を得ていた研究協力者である2校の小学校の先生方から非常事態を理由に辞退させてほしい旨、毎学期連絡を受けた。 当初の計画のまま1年半以上待機してもコロナ禍が収まらないため、具体的なインストメンテーションに入れず、研究自体の進展が全くなかった。 研究3年目(2022年度)に入ってもこの状態に改善の見通しが立たないため、申請者は研究対象と調査内容を変更することにした。自身が勤務する大学において普段TLの概念を使って英語の授業を行っているクラス(上級レベル)を対象に、「TL頻度」、「英語との出会い」、「どこでどうやって英語力を身につけたか」、「英語力の維持方法」、「言葉とアイデンティティー」、「日本の英語教育について」等を中心に半構造化インタビューを実施した。研究の趣旨を説明し、本人から協力の申し出があった20名の協力者に対して、インタビューをズームを利用して授業外で行い、約50時間の動画を収録した。トランスクリプトを作成した後、本人に2度にわたって修正・加筆を依頼した。その過程で数名から辞退の申し出があり、結局16名分のインタビューの記録を、動画ソフトNVivoを使って質的研究を行うことにした。この分析結果は、今後教育者、研究者、学習者にわかるようなかたちで行いたい。
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