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2021 年度 実施状況報告書

英語教育に生かす言語景観研究:誤用分析と異文化コミュニケーションの観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20K00822
研究機関神戸学院大学

研究代表者

森下 美和  神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (90512286)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード言語景観 / 誤用分析 / 異文化コミュニケーション / 外国語表記 / 英語教育 / 観光 / インバウンド観光客
研究実績の概要

2021年度は、COVID-19対策を徹底しつつ、研究代表者の地元である神戸に加え、国内の観光都市での調査を徐々に再開した。また、所属大学の在外研究制度を利用し、オーストラリアのビクトリア州(メルボルン)で約3か月間のフィールドワークを行った。世界でいち早く国境を開放し、再び外国人観光客を受け入れることとなったオーストラリアにおいて、COVID-19の影響を含めた言語景観調査および現地で20名以上を対象にインタビューを実施できたことは、本研究に大きな価値をもたらす経験となった。
本研究課題の主な目的は、日本の言語景観における英語使用についての現状を把握し、言語景観調査のプロセスおよびデータ分析の結果を英語教育に生かすことであるが、英語圏においても英語表記に問題のある例に加え、日本語表記が好んで使用されている例、アルファベット表記であるが日本語ないし日本語由来と思われる表現が使用されている例、中国語・ベトナム語など特定の言語の使用者に向けたと思われる例など、多くのデータを収集することができた。これらは英語圏に住む多種多様な言語・文化を持つ人々の言語使用についての貴重なデータであり、日本人英語学習者の英語使用における誤りとの比較・検討が可能なケースも多い。
これまでの調査や他大学の研究者との共同研究の成果を含め、本研究課題に関連する研究については、国内で4件、海外で1件の口頭発表(すべてオンライン)を行い、年度内に8件の学術論文が発行された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述したように、COVID-19対策を徹底しつつ、研究代表者の地元である神戸に加え、国内外の観光都市での調査を徐々に再開した。しかしながら、国内外の多くの学会や研究会が中止や延期されたため、特に海外における発表や研究交流のための出張の機会が失われた。

今後の研究の推進方策

2022年度は引き続き、COVID-19対策を徹底しつつ、無理のない範囲で国内外でのデータ収集・分析を行う。言語学/英語教育学の観点から、それらにおける誤解/誤認識の原因・理由と思われる状況を丁寧に解きほぐしていく作業を進めたい。また、これまで未着手であったインバウンド観光客および神戸在住の外国人へのインタビューなどを徐々に進めていくことを検討している。

次年度使用額が生じた理由

2021年度は、国内外の出張を徐々に再開することができたが、2020年度からの繰越金を含めた未使用額はいまだ消化できていない。2022年度は、フィールドワークを中心とした出張を引き続き行う予定である。また、年度末に国際ワークショップを開催する予定であり、その一部で本研究課題に関連する研究経過・研究成果を報告することを検討している。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 日光観光案内アプリのマルチメディアコンテンツの構成に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      川上晴人・中山春佳・平松裕子・伊藤篤・長谷川まどか・原田康也・上田一貴・佐々木陽・森下美和・佐藤美恵
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: vol. 121, no. 440 ページ: 25-30

  • [雑誌論文] メルボルンの言語景観調査:コロナ時代の観光都市2022

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: vol. 121, no. 440 ページ: 50-55

  • [雑誌論文] 観光地日光における言語景観:継承と変容2022

    • 著者名/発表者名
      平松裕子・森下美和・原田康也・伊藤篤・佐良木昌
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: vol. 121, no. 440 ページ: 56-61

  • [雑誌論文] 日本の言語景観における英語の誤用傾向2022

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 雑誌名

      言語学習と教育言語学

      巻: 2021年度版 ページ: 77-82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] パワースポットめぐり支援アプリの構想について2021

    • 著者名/発表者名
      中山春佳・川上晴人・平松裕子・上田一貴・原田康也・森下美和・伊藤篤
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: vol. 121, no. 87 ページ: 30-33

  • [雑誌論文] 言語景観とピクトグラム2021

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: vol. 121, no. 87 ページ: 38-43

  • [雑誌論文] 情報環境(言語景観・意味景観)とのインタラクション:多層的異文化コミュニケーションの危険な曲がり角2021

    • 著者名/発表者名
      原田康也・佐良木昌・平松裕子・森下美和
    • 雑誌名

      日本認知科学会第38回大会発表論文集

      巻: - ページ: 788-794

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 神戸における外国人居住地域の言語景観2021

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 雑誌名

      日本認知科学会第38回大会発表論文集

      巻: - ページ: 799-801

    • 査読あり
  • [学会発表] To develop a new travel experience to be relaxed in nature2022

    • 著者名/発表者名
      Ito, A., Hiramatsu, Y., Ueda, K., Harada, Y., Morishita, M., & Sasaki, A.
    • 学会等名
      ENTER 22
    • 国際学会
  • [学会発表] メルボルン・リポート22022

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 学会等名
      日本英語教育学会・日本教育言語学会第52年次研究集会
  • [学会発表] プライベートスペースの言語景観の紹介2021

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 学会等名
      第177回次世代大学教育研究会
  • [学会発表] 日光戦場ヶ原における森林浴効果2021

    • 著者名/発表者名
      中山春佳・川上晴人・平松裕子・原田康也・上田一貴・森下美和・伊藤篤
    • 学会等名
      電子情報通信学会ネットワークソフトウェア研究会
  • [学会発表] 海外での言語景観調査に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      森下美和
    • 学会等名
      第184回次世代大学教育研究会

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公開日: 2022-12-28  

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