研究課題
基盤研究(C)
本研究は、近年のニューラル機械翻訳および深層学習に基づく自然言語処理技術に基づいてユーザーが効果的な外国語作文の独習ができる訳文添削システムの構築を目的とする。特に意味的な誤りの検出および添削に着目し、最新の自然言語処理技術を用いた自然言語推論モデル、文間類似度推定モデル、および単語アライメントモデルを適用した自動添削システムを構築した。評価実験において不正解文検出の適合率・再現率ともに70%以上を達成し、かつ添削結果のうち半数程度は妥当であるという人手評価結果が得られた。
自然言語処理
和文英訳問題は英語学習者にとって重要な部分を占めている一方で、学習者自身で回答の正誤を判定することはしばしば困難である。文法的誤りの検出・訂正においては実用化されたシステムが存在する一方で、意味的誤りの検出・訂正はまだ研究途上にあった。本研究は最新の自然言語処理技術を適用することで、任意の和文英訳問題に対する意味的誤りの検出と添削がある程度の性能で可能であることを示した上で、現状残っている学術的課題を明らかにした。