研究課題/領域番号 |
20K00835
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
水上 嘉樹 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60322252)
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研究分担者 |
野村 厚志 山口大学, 教育学部, 教授 (40264973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 英語教育 / moodle / モチベーション理論 / グループ学習 / Web学習システム / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、モチベーション理論に基づいて、ネットワークゲームに着想を得た対戦型英語学習システムを開発することである。2020年度は英語学習システムの実装と実証試験を研究計画とした。ここでは、学習効率が高いシステムを提供するために,①ユーザインターフェースの設計,②出題問題の品質管理,③通信経路の安定性の改善といった複数の観点を踏まえた実装を行い,④30名程度の協力者に数カ月間に渡ってシステム上での学習(実証試験)に取り組んでもらうことを想定した。年度当初からのコロナ禍により、特に④実証試験については計画の大幅な見直しを余儀なくされたが、本学教育学部の英語授業担当教員が本研究に理解を示して頂いたお陰で、前期、後期ともに4か月に渡り受講者30名程度の授業で予備的な実証試験を実施することができた。ここで得られた意見を元に検討を行い、現時点では改善すべき箇所を指摘されないレベルまで①ユーザインターフェースの改善が完了している。さらに、②出題問題の品質管理については、英単語の難易度データベースを利用することで、英文に含まれる単語の難易度から英文の難易度をレベル分けしたところ、受講者にとって違和感のない品質管理に成功した。③通信経路の安定性については、現状、40名程度の受講者に対する安定性は確保できたが、100名前後の大人数受講者に対しては不安定になることが分かっており、引き続いての検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述したように、コロナ禍により実証試験の見直しを余儀なくされたが、山口大学教育学部教員の協力と支援により、当初想定した30名規模での実証試験の実施が達成されている。英語学習システムのユーザーインターフェースの改善や課題問題として使用されている英文の品質管理についても着実な進歩があった。一方で、100名程度の受講者に対する通信経路の安定性確保が未達成であることから「(2)おおむね順調に進展している。」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,初年度に得られた知見や問題点に基づいて英語学習システムの改良と2回目の実証試験を行う。最近のスマートフォンやタブレット端末の普及を踏まえて,提案システムがそれらの端末にも対応できるようなユーザインターフェースを実装する。特に,提案手法によって計測したディクテーション能力とTOEICスコアの相関について議論を深めて行きたい。なお、2020年度に積み残しとなった通信経路の安定性確保についても継続して検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額42万円発生した理由について述べる。新型コロナ感染の影響により、英語学習システムの実証試験に参加する被験者を大規模に募集することができなかった。また、募集したとしても学習効果を検証するための実証試験前後でのTOEIC受験を促しにくい状況であった。そこで、実証試験の実施を次年度以降に遅らせるべきと判断して、協力者への謝金として確保した金額の大部分を次年度使用額として申請した。
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