研究課題/領域番号 |
20K00843
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
米田 佐紀子 玉川大学, 文学部, 教授 (70208768)
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研究分担者 |
西村 洋一 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (70406809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 言語活動 / 行動中心アプローチ / 言語材料と題材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、CEFRの理念に基づく言語コミュニケーション力の育成を目指し、使用 教科書にかかわらず、言語材料・題材を中心に、言語材料に合致した言語活動の一覧を作成し、小学校英語現場のニーズに応えるとともに言語コミュニケーション力の向上を図ることである。2021年度は言語活動について、国学院大学の長田恵理氏と共同研究を行った。本研究では小学校教科書採択率上位2社の読み書き「読むこと」「書くこと」の2技能の活動・内容・テーマについて、CEFRに基づいた学習者の自律(自立)的学習支援ツールであるELP(ヨーロッパ言語ポートフォリオ)のCan-Do記述文と照合して、扱われている言語活動の傾向をとらえた。調査の結果ELPのA1レベル記述文にある半数以上の項目について合致していたが、これらをしっかりと定着させてこそ到達の可能性があるとも考えられることが分かった。記述文に合致する活動が教科書紙面上になかったものに関しては、3、4年生で学習しているが口頭技能のみで終わっており、高学年の教科書で特に「読み書き」の活動として出てこないことが一因であることが分かった。これらに関しては、巻末などにある絵辞典を指導者が意識的に使って文字に注目させ、触れる機会を増やす等、指導者が言語活動場面の幅を広げることで、外国語によるコミュニケ―ションに必要な見方考え方をつけると考えられる。こちらは全国英語教育学会第46回長野研究大会(2021年8月7日)で口頭発表し、また、『中部地区英語教育学会紀要』第51号(2022年1月発刊)で論文発表した。次に、本研究を踏まえ、指導者が視点を変えれば言語活動になるものが教科書の練習の中にある点に着目し、視点を変えることで子どもの学びにつなげる言語活動になるという提案を川崎市小学校外国語・国際教育研究会(2022年1月19日)で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による本務校での業務の増加によるものが主な原因である。特に教務担当をしているためその負荷は大きかった。2年目になり、様々なものが落ち着いてきたとは言え、特別な対応事項があり、調整に心身ともにエネルギーが割かれた。 また、当初実施するはずだった,学力と動機づけへの効果を数値で示すことによって客観的に検証するとともに,国際英検を用いた客観テストの実施は協力者の異動により実施が難しくなった。
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今後の研究の推進方策 |
所属するJACET教育問題研究会が作成した『中学校へのパスポート』が採択率上位3社の語彙・文型、題材を2022年3月に発刊したことから、この題材と言語材料に即した言語活動を作成し、現場教員からの聞き取りを行っていく。それに基づいた一覧の作成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、コロナ禍にあって、国際学会はオンラインで実施されたため、旅費を使用しなかったこと、それに加えて、国際児童英検が実施できなくなったことが理由である。今後は協力者への聞き取りや文献調査等を行っていく。状況が変わり学会等に対面で参加することが可能になれば、旅費等の使用が発生する可能性もある。
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