研究課題/領域番号 |
20K00850
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
古賀 功 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (90528754)
|
研究分担者 |
今野 勝幸 龍谷大学, 社会学部, 講師 (00636970)
山口 篤美 名城大学, 外国語学部, 講師 (10749469)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 会話意欲 / 会話に対する自信 / コンピューターを介してのコミュニケーション |
研究実績の概要 |
令和2年度はコロナウイルスの影響でほぼすべての授業がオンライン授業になり、コンピューターを介してのコミュニケーションの機会が増加した。このような状況下なので、本課題で扱う「コンピューターを介してのコミュニケーション意欲の役割」というのは、非常に重要なものである。 令和2年度の研究目的として、従来の対面でのコミュニケーションにおける会話意欲(willingness to communicate: WTC)のモデルが、コンピューターを介してのコミュニケーションのコンテクストにおいても適用、応用できるかを調査することであった。まず始めにオンライン上で2つのspeaking活動を行った。1つ目がフリートークで、参加者たちは自分たちで話したいことを話す活動であり、2つ目はペアでお互い自分たちの絵を見てそれを描写し、異なっている点を見つける間違い探しのような活動である。その後、WTC、会話に対する有能感と不安を測定するアンケートを実施した。現在、そのデータを分析し、モデルの検証を行っている。また、当初は協同ライティングタスクを実施する予定であったが、分担者と打ち合わせをすることが困難であり、かつ研究協力者を募ることができなかったため、上記のspeaking活動を実施した。 令和2年度は、学会などもほとんど開催されなかったため、発表等もできなかった。しかし、本課題と関連する内容でオンラインの発表を1度行った際に、様々な面でフィードバックをいただき、さらに英語を話す意欲に関する論文を執筆し、学会誌に掲載されたので、それらを今後の研究方針・目的・実施に活かしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は新型コロナウィルスの影響で、すべての授業がオンラインになってしまい、その授業準備に追われ、その環境に順応するために多大な時間を費やしてしまったので、当初予定していたように課題を進めることができなかった。研究分担者の先生方とはオンラインで数回ミーティングを開催し、その状況下でどのように課題を進められるかを議論した結果、「研究実績の概要」でも示したように、当初予定していた活動(協同ライティングタスク)ではなく、スピーキングの活動を実施し、WTC、会話に対する有能感と不安の関係を調査することにした。活動を変更したため、当初考えていた以上のパフォーマンスが得られたため、現在それを分析中である。これらのことを考慮すると、研究は少々遅れてしまっていると認識している。令和3年度では、対面でのコミュニケーションとコンピューターを介してのコミュニケーションのWTC、有能感、不安の比較を行う予定であったが、現状では対面でのコミュニケーションを実施することが困難かもしれない。さらに、研究協力者を募ること、分担者とのミーティング、授業準備(オンラインから対面授業)など様々な困難があるが、分担者と協力をして研究を進めていきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度はまず始めに、昨年度の研究①の収集したデータを書きおこし、会話中の総語数・ターン数・WTC要因の関係性を分析し、WTCのモデルを検証する。次に、研究②として、研究分担者と共に協同ライティングタスクを作成する。その後、コロナウィルスの蔓延状況を考慮に入れつつ、対面とコンピューターを介してのコミュニケーション、その後の会話記録とWTCの変動を明らかにする半構造化インタビューに参加してくれる学生を募集する。もし対面でのコミュニケーションが困難な場合は、コンピューターを介してのコミュニケーションでのWTCの変動のみに焦点を当てる。データ収集後は、書きおこし作業等を業者に依頼する。同時に、どのような要因が会話中のWTC・有能感・不安に影響を与えたのかを明らかにするために、インタビューデータの質的分析を行う。 対面授業からオンライン授業に移行した結果、研究協力者を募集することが困難になってしまったが、研究分担者と打ち合わせを行いつつ、課題を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度はコロナウィルスの影響で学会等に参加できなかったため、旅費を使用しなかったが、令和3年度は対面で開催される予定の学会で研究成果を発表する予定である。また、昨年度は研究参加者を募ることができなかったが、3年度は多くの研究参加者を募集する予定であり、データを分析するために必要な機材(ビデオ、コンピューター、統計ソフトなど)の購入が必要である。よって、今年度は物品費、人件費・謝金は多く必要となる。
|