研究課題/領域番号 |
20K00874
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大和田 和治 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (00288036)
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研究分担者 |
筒井 英一郎 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (20386733)
上田 倫史 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (30343627)
竹田 里香 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (60815728)
渡辺 彰子 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (70579466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語の自他動詞 / アニメーション動画 / 教材作成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本人英語学習者の英語の自他動詞の学習段階を踏まえたうえで、自動詞用法又は他動詞用法が使われるべきコンテクストを明確に示したアニメーション動画により、英語の自他動詞を効果的に学習できるアニメーション教材を開発することである。本研究で取り扱う動詞は、英語基本語彙リストや英語教科書コーパスを分析し、候補となる動詞を選択し、それらの動詞を含む英文の文法性・容認性判断テスト及び語彙テストを実施して厳選する。昨年度に続き、第一に、言語学・第二言語習得関連の文献調査を行った。特に認知言語学、言語類型論における自動詞・他動詞に関する最新の研究動向を調査した。また、コーパス言語学、特に英語学習者コーパス研究と、中学校・高校英語教科書を扱ったコーパス研究の分野及び語彙習得、特に動詞の語彙習得研究の最近の動向を調査した。第二に、日本人英語学習者がよく間違える主な自他交替動詞(open, close, melt, drop, break, flyなど)を抽出し、それらの各動詞につきそれぞれ2つのコンテクストを設定したアニメーション動画教材をプログラミング言語であるPHPとGoogle Formsの両方のバージョンで作成した。PHPはサイト上にアップし、アクセスできれば自由に使用できるようにした。一問ごとに解答及び解説が出るようにした。一方、Google Formsでは、全部の問題を終了した後に解答と解説を提示し、アニメーション動画もすぐに再生し見られるようにした。第三に、本動画教材をベースに選択式問題を作り、日本人大学生約60人が、一つの動詞につき二つの異なるコンテクストを与えられたときに、適切に自・他動詞を使い分けることができるかを調査した。その際、各動詞につき二つの異なるコンテクストを設定しているので提示順序を変えるなどして実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通り、研究代表者と分担者が動詞を選択し、各動詞につき2つ以上のコンテクストを示す動画を20点ほど教材化することができた。教材の提示方法としては、PHPとGoogle Formsの2つのバージョンを作成した。そして、代表者が担当する学生60名程度に対して予備実験を行った。当初は、アニメーションによる動画の容認性判断タスクと作文タスクを課す予定であったが、アニメーション動画を提示する際に、英文でのある程度の補助的状況説明を提示する必要から多岐選択式とし、自動詞又は他動詞を含む英文3つの中から、最も場面に合う適切な文を選択させるように変更した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、中学校・高等学校英語教科書のコーパス分析を動詞を中心に行う予定である。中学校の英語教科書と高校英語教科書のうちシェア率の高いものをコーパス化し、新JACET8000などを参考にし、AntConcなどのコーパスツールを用いて語彙分析を行う。その際、English Vocabulary Profile(EVP)を参照し、動詞の語義レベルにおける構文との関係を調査する。また、ICNALE等の学習者コーパスによる動詞別構文頻度調査を行う予定である。さらに、昨年度に作成したアニメーション動画教材を使って行った実験結果を分析する。その際、どの動詞の正解率が低かったか、どの動詞のどういったコンテクストの正解率が低かったかについて分析する。また、英語の選択肢の英文が適切であったかも合わせて検討する。また、実際に本アニメーション動画教材を使用してもらった日本人英語学習者に対して、教材の操作の使いやすさ、内容の理解しやすさ、有益性を問うユーザビリティーについてのアンケート調査を行う。以上の結果に基づき、アニメーション動画教材に改良を加える。また、必要に応じて選択肢問題形式を変更したり、アニメーション動画を新たに作成し直すことも視野に入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会等がオンライン開催が多かったため、旅費の出費が少なくなった。
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