本研究の4年目である2023年度には、(1)実験分析のやり直し、(2)研究成果の発表、(3)追加の実験を行った。まず、実験分析のやり直しについては、2020年と2021年に行った実験で分析の統計手法としてt-testsを使ったが、論文を読んだ査読委員からの指摘を受け、データがnormal curbになっていないことを確認したため、Wilcoxon signed-rank testsとMann-Whitney U testを使って分析をし直した。研究成果の発表については、研究前半の文献研究部分を「Searching for promising academic English instruction methods」という論文にまとめて、Journal of Institute for Research in English Language and Literature 48 (pp.21-42)で発表し、研究後半の実験部分を「Effectiveness of academic English instruction on EFL academic reading comprehension and self-efficacy」という論文にまとめて、Tohoku Gakuin University Review: Essays and Studies in English Language and Literature 107 (pp.129-151)で発表した。追加の実験については、名詞化のみの指導が学術英文読解と読解への自信に対する効果の検証のための実験を行った。2020年と2021年の実験で学術英語の難解さに貢献する主要な要因である接辞と名詞化をまとめて指導した効果を検証していたが、今回は接辞の指導を行わないで名詞化のみを指導した影響を調べたいと考えて実験を追加した。この実験の結果は、次年度に論文として発表する予定である。
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