研究課題/領域番号 |
20K00892
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研究機関 | 川村学園女子大学 |
研究代表者 |
松本 修 川村学園女子大学, 文学部, 講師 (70757286)
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研究分担者 |
浅利 庸子 早稲田大学, 商学学術院, 専任講師 (70631331)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 外国語教育 / e-learning / ダイナミック・アセスメント / 英文法学習 |
研究実績の概要 |
2021年度は、ダイナミック・アセスメントシステム開発の基礎研究として、2020年度に引き続き、対面式のダイナミック・アセスメントを行った。また、過去2年間に発行された論文の文献調査を行い、最新のダイナミック・アセスメントの研究動向を調査した。さらに、本研究で用いるダイナミック・アセスメントのアルゴリズムを構築し、フローチャートの原型を作成することを試みた。 対面式ダイナミック・アセスメントでは、コンピュータ上で、より系統的、効果的に学習支援が行えるよう、Aljaafreh & Lantolf (1994)の採用した段階的スケールに修正を加えたものを使用した。スコアリング形式として、最初から正答(5点)、誤答部分に独力で気づきで自己訂正(4点)、システムからの誤答箇所の指摘による自己訂正(3点)、誤答箇所の文法的コンテクストのヒントによる自己訂正(2点)、誤答箇所と同様の文法的誤りの例示後の自己訂正(1点)、自己訂正失敗(0点)を与えた。最初の解答による得点は「実際の得点」とし、各設問は5点(正答)か0点(誤答)のいづれかとした。コンピュータによる段階的支援を受けた場合は、「仲介された得点」として、5点、4点、3点、2点、1点、0点のいづれかをとるようにした。 このアルゴリズムを用い、対面式のダイナミック・アセスメントを行った。参加者は10名で、まず、参加者に文法問題30題を解答してもらった。解答後、参加者と研究代表者は1対1形式のチュータリングを行い、誤答部分に段階的訂正フィードバックを行い、協同的に問題解決を試みた。これらの様子はビデオレコーディングで記録した。また、実験後にはインタビューを行い、フィードバックの改善点を見出し、段階的訂正がコンピュータに最適化するよう修正を加えていった。これら研究成果をまとめ、ポスターにより発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、予定していた多人数での対面での実験の実施が困難であった。また、参加者数名から研究参加への辞退の申し出があった。発表・参加を予定していた学会が新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、中止、縮小、オンライン化となり、情報収集や他の研究者との意見交換が困難となった。これに加え、研究代表者の長期にわたる体調不良により、研究を進めることが一時的に困難となり、研究の進捗に大きな影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、2021年度に作成したフローチャートを用い、ダイナミック・アセスメントのプロトタイプの作成を試みる。また、学会に参加し、研究者と意見交換をしつつ、最新のコンピュータによるダイナミック・アセスメントの動向を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大により、予定していた海外への学会参加がすべて不可能となった。国内での学会はオンラインでオープンアクセスでの開催となり、旅行費や学会参加費がかからなかった。また、本研究への参加者も謝礼を辞退しボランティアでの協力を申し出た。さらに、研究代表者の長期間の体調不良により、研究自体が滞り、備品、消耗品ともに新規で購入することがなかった。
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