研究課題/領域番号 |
20K00894
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小泉 利恵 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70433571)
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研究分担者 |
深澤 真 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00634429)
横内 裕一郎 弘前大学, 教育推進機構, 助教 (40782800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 言語テスティング / 英語テスト / スピーキング能力測定 / 信頼性 / 採点指針 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高校の英語授業内でスピーキング評価を行うために課題となっている「採点の信頼性の低さ」を解決するための採点指針をまとめることである。 英語を適切に話す力を育成するためには、効果的な指導に加え、指導の効果を測定し、次の指導や学習に活かすためにパフォーマンス評価を行うことが必要である。しかし教員間や教員内での採点結果が一致するとは限らず、採点の安定性(信頼性)が低いことが問題となっている。 本研究では、その点を改善するために、高校の英語授業でのスピーキング評価の文脈で、採点者トレーニングの方法に焦点をあて、採点で用いるタスクの種類や評価観点ごとに信頼性の高低を調べ、採点指針としてまとめる。 1年目には、先行研究に基づき、教員の採点での安定性についての知見をまとめ、小泉・渡邉・初澤・磯部・松岡 (2021) として発表した。そこでは、日本の公立高校で行ったスピーキング評価について、(a) 発表型やペア会話型では信頼性が高い傾向があること、(b) グループ型では、会話の順番や構造を指定して予想可能な形にし、話す時間を長めにとった場合には信頼性が高く、順番や構造を指定せず、話す時間が長めの場合には信頼性が低い傾向があることが分かった。 さらに、中国、香港、オーストラリア、ニュージーランドを含む、国内外でのスピーキング評価の実践や研究から学ぶために、研究例会を2回、オンラインで開催した。そこでは、丁寧な採点者トレーニングやルーブリックの修正など、それぞれの状況で採点者の理解と技術、また採点の信頼性を高めるために様々な工夫を行っていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに、研究動向や先行研究についての確認や、分析・発表を行ったため。 具体的には、1年を通して先行研究のまとめを行い、情報収集を行った。既に得たデータを使って詳細な分析を行い、その結果を2月の例会で発表することができた。次年度以降に予定しているウェブサイト解説に向けた計画を開始することもできた。コロナ禍のために、予定していた海外視察や学会参加はかなわなかったが、オンライン例会を2回開催し、国内外の研究や実践を学ぶことができた。 そのため、おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究をさらに効果的に進めるために、ウェブサイト開設のためのビデオ撮影・加工の依頼など、可能な範囲の作業について、研究補助者に依頼する。効率が上がるだけでなく、複数の目が入ることで入力ミスなども防げ、研究の質向上に役立つと考える。 すでに研究補助者の協力も取り付けてあり、実行開始が可能な状態になっている。
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