研究課題/領域番号 |
20K00895
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
永江 貴子 拓殖大学, 外国語学部, 教授 (90508441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中国語教育 / LMS / e-learning / Forms / オンデマンド型授業 / YouTube |
研究実績の概要 |
これまで、一体型中国語学習・課題システムを構築してきた。新型コロナウイルス感染症拡大を受けてオンライン授業が広まり、このシステムをオンデマンド型授業に活用することにした。従来、学習サイトと課題サイトを別々に運用していたが、実施したオンデマンド型授業で、課題の提出に遅れが出る学生がいた。それら学生からのフィードバックを分析した結果、システムの利用の煩雑さや使い勝手が問題だったことが判明した。そのため、MS Formsを用いて一体型システムに再構築・実践した結果、学生の課題提出率が前年度と比較して向上したことが統計的に分析できた。 新型コロナウイルス感染症拡大により国際的な移動制限が続く中、一体型システムはネイティブスピーカーの中国語授業を効果的に提供できる手段となった。海外機関が制作した講義動画をシステムに組み込むことで、オンデマンド型授業で学生の理解を深めることができた。しかしながら、著作権や動画利用の制限に関する問題点や、学生のレベルに合わせた翻訳・注釈作業の手間が残る課題として存在する。今後の取り組みとして、著作権問題への対策や翻訳・注釈作業の効率化、さらには他の言語や教科へのシステム応用を検討することが重要である。 上記で構築したシステムは、学生からのフィードバックを継続的に収集・分析し、システムの改善に努めることで、より使いやすく効果的なオンライン教育環境を提供できることが期待される。これらの取り組みにより、オンライン授業が一層充実し、学生たちの学習環境が改善され、教育の質がさらに向上すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、学習・解説・練習を組み入れた一体型システムを構築し、オンデマンド型授業で使用している。しかし、独習型として、つまり学習者が自ら学習するシステムとして、教員からの強制がなく、学習者が自律して学ぶシステムとして、さらなる改善が求められている。 また、学習項目についてはやや古い部分があるため、最近の中国語学・中国語教育に関する研究成果を取り入れることが重要である。これらの改善には時間がかかるため、研究が遅れている状況となっている。 今後は、学習者が自律的に学べるようシステムの改良に取り組むとともに、最新の研究成果を順次取り入れることで、より効果的な独習型システムの構築を目指す。これにより、研究の遅れを解消し、学習者にとって有益な教育環境を提供することが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
現在、学習・解説・練習を組み入れた一体型システムを構築し、オンデマンド型授業で使用している。特に、学習項目の中でも、中国語学習者が躓くポイントとして挙げられる成語の部分を充実させることを計画している。さらに、最近の中国語学・中国語教育に関する研究成果を学習項目に取り入れていく予定である。 また、オンライン学習環境の発展に伴い、インタラクティブな学習要素をシステムに組み込むことで、学習者の興味・モチベーションを維持し、効果的な学習ができるように改善を図る。さらに、学習者同士がコミュニケーションを取り、疑問点や学習方法を共有できるプラットフォームの構築も検討し、独習型システムの効果を最大限に引き出す計画である。 今後は、システムを利用する学習者のフィードバックを随時収集し、改善点や新たな要望に対応することで、より質の高い教育環境を提供できるよう取り組む。これらの改良により、中国語学習者に対して効果的で柔軟な独習型システムを提供し、学習者の成果向上に貢献することが期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、予定していた国内外の学会がオンライン開催となり、海外の場合は渡航制限もあり、参加できなかったため次年度使用額が生じた。更に、学習項目について、科学研究費申請時と比較し、新しい研究成果が発表されており、それらの成果をシステムに組み入れる必要ができた。そのため、出張費、書籍代、論文作成やその翻訳チェックなどを使用予定である。
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