研究課題/領域番号 |
20K00902
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
藤井 清美 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (60596633)
|
研究分担者 |
井ノ口 悦子 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (80770809)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 21世紀型スキル / PBL / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
2013年から英語教育にコミュニティとつながり、地域に貢献する活動を導入し、学生の言語習得と自己形成における効果を検証してきた。従来の言語教育とは異なり、地域貢献に志向した問題解決型教育を実施することで、言語を道具として使用し、グローバルコミュニティで必要とされる21世紀型スキルを備えた人材が育成されると考える。本研究では、地域、産学連携型プロジェクト活動を効果的に行うために参加者が必要とされるスキルを抽出する。それを基に21世紀スキルの獲得に必要な外国語教育とはどのようなものかを明らかにし、カリキュラムに取り入れるための効果的な指導方法と総合的能力評価の評価方法を模索する。
研究対象の英語科目においては2017年度より正課授業としてデザイン思考を用いた地域連携プロジェクトを実施している。2020年度からは短期留学生を対象とした日本語教育科目と協働活動として取り入れる予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症への政府の水際対策のため、3ヶ月以内の短期留学生の入国が禁止され、2020,2021年度においては、日本語教育プログラムはキャンセルとなった。2022年度はオンラインで、2023年度に初めて対面での開催となった。対面で実施した参加者のデータは数が少ないため、ケーススタディとして分析した。2024年度も同様の科目を開講し、データを収集する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による日本政府の水際対策で3カ月未満のプログラムに参加する留学生の入国は禁止されていたため、2020年度から2022年度までのデータ収集が計画通りに進んでいなかった。2023年度から初めて当初の計画が実行できた。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き留学プログラムが対面で実施される予定であり、以下の計画を実施する。 (1) 地域連携型問題解決プロジェクトを実施し、研究代表者がファシリテーターとしてプロジェクト活動を監督し、研究分担者は活動に参加し、参与観察を行う。以下に授業進行予定を示す。 1.プロジェクトの概要、目的、計画を学生に説明する。2.学生は地域にみられる問題を発見するため、デザイン思考の手法を用いて情報を集める。3.情報をもとに分類表を作成し、分析する。4.問題解決のための案を提案する。5.プロトタイプを制作する。6.プロトタイプに対するフィードバックを受け改善する。7.成果物を完成させる。プロジェクトの実施と並行して参加者より次のデータを収集する。 (2)上記の活動を実施した後、参加者にアンケートを行い、活動における文化、言語、コミュニケーションなどのスキルを自己評価させる。前述の自己評価と研究者の観察をもとに、プロジェクト活動と言語学習の二つの面に分けてそれぞれで必要とされるスキルに関連するキーワードのコーディングを行い、テキストマイニングにより分析し、参加者がどのような過程を経て地域貢献型問題解決のスキルと言語スキルを獲得するのかを考察する。
これらの結果から総合的能力評価の項目を「プロジェクト遂行スキル」と「外国語運用能力スキル」に分け、それぞれどのようなスキルが求められているのかを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データ収集の遅延のため、国際学会での発表が2024年度になるため。
|