• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

複言語・複文化活動を通した共同体での発展的学び:連携型アクションリサーチの試み

研究課題

研究課題/領域番号 20K00904
研究機関京都外国語大学

研究代表者

吉田 真美  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (80300242)

研究分担者 南 博史  京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (00124321)
河上 幸子  京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (30586730)
島村 典子  京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30724273)
梶川 裕司  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40281498)
中山 智子  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (80434645)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード複言語複文化主義 / 地域連携 / フィールドワーク / COIL / テキストマイニング / 環境保全型農業・林業・漁業 / 高大連携 / 環境保全型農業・林業・漁業
研究実績の概要

1)中山・吉田担当の「多言語絵本読み聞かせプロジェクト」は、児童館3回、保育園1回、学園祭1回の計5回のイベントを開催し、参加学生には7名に対してインタビューを行い、参加した保護者にはアンケートを取り、データ分析後活動が学生及び地域に与えた影響を考察した。また4年間連続で参加した学生のデータを分析し、参加学生の経年的な成長を考察した。;2)河上の「学生・生徒主体のグローカルな中高大連携事業の構築プロジェクト」では、和歌山県美浜町でのCommunity Engagement Programの一環で、学生と地域の連携でご当地ラーメンを開発し9月にポップアップストアを開店した。また、そのときの来客全員にアンケート調査を実施した。;3)島村の「大学生・留学生・高校との連携による語学スタディツアー(研究担当者:島村・南)」は、2019年に実施したプログラムの教育効果を検証し、実践報告にまとめた。また、同内容を学内のFDにて発表した。また、島村が海外の大学と連携して行ったCOIL型外国語教育について、その全行程を報告書にまとめた。;)南の「外国語専攻の学生と地域住民による町おこし」では、荒廃が進む中山間地において「環境保全型生業」を学べる「くまだん大学」を開始した。留学生を含め多様な人材が交流できる状況となっている。活動の写真展を現地で開催した。;5)評価担当の梶川は本研究の複数の取組みのうち「多言語絵本読み聞かせプロジェクト」に参加している学生への聞き取り調査の文字データをテキストマイニングにかけ、その特徴を明らかにするための試行をおこなった。観点としては、①単語使用の学生ごとの相違と共通点、②単語使用の経年変化、である。
最終年ということで、学内FDにおいて、実践報告を行い、4年間の取り組みを報告書にまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中山・吉田は、児童館や保育所以外に、学園祭でも「多言語のおへや」というイベントを開催し、来室した親子に多言語による読み聞かせ実践を開始した。
河上は、5月~7月にかけて連携先との事前調整および学生側の取り組み準備を行うべく、8月末~9月に学びの発信の実践を行い、10月~1月に連携先へのヒアリングやアンケート調査および分析を行う準備中である。
島村は、「教職を志す中国人留学生と資格試験を目指す日本人中国語学習者による作文教育」の予備調査として、中国語の資格試験に関する授業内で、受講生を対象とした作文問題のデータを計14回分収集し、データの分析を行っている。
南は、本研究を含め12年間におよぶ地域住民に寄り添った活動を継続できている。今年度の越前フィールドワークを通して、あらためて参加学生へのアンケート調査を実施し、留学生や本学以外からの参加学生も対象とする。 現在、ライングループで連絡がある卒業生へのアンケート調査を行い、住民への調査 も行う予定である。
梶川は一定の評価を得ているテキストマイニングのフリーソフトを利用し、単語レベルの分析をおこなっている。

今後の研究の推進方策

中山・吉田は、今年度から新しい研究メンバーや参加学生を増やし「外国にルーツのある」学生と、中高生との交流の機会を設ける。具体的には学園祭の「多言語の部屋」イベントを拡大し、複言語環境にある中高大生が自分たちの資源を積極的に生かしたアイデンティティ構築を支援する。
河上は、中高大連携、社会連携を単なる営業や負担の増大と捉えずに、学生の学びの発信の機会、また中高校側が抱える課題やニーズ調査の場と捉えることで、教育および研究実践としても新たな可能性を開拓する。具体的には当該ご当地ラーメンを地域と連携して、海外進出させるという計画があるため、それにむけた調整をおこなうとともに、これまでの研究について報告をおこなう。
島村は「教職を志す中国人留学生と資格試験を目指す日本人中国語学習者による作文教育」を実施するにあたり、タンデム学習、サービスラーニング、中国人留学生を活用した中国語作文教育に関する先行研究を調査し、実施の下準備を進める。
南は、卒業生など活動参加者を対象としたアンケート調査を実施し、活動を通したライフキャリア形成の効果を評価する。
梶川はより高度なテキストマイニングがおこなえるソフトを導入し、単語の分析から一歩、進めて、単語の連鎖及び構文の解析をおこないたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で、一部の活動が滞り、昨年度実施できなかったデータ収集や分析、そして発表などができなかったので次年度に発展的な活動を実施する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「フィールドワークを通した高大連携型外国語教育の実践」2024

    • 著者名/発表者名
      島村典子、南博史、青山恭子
    • 雑誌名

      『国際言語文化』

      巻: 第9号、 ページ: p95-104

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「複言語・複文化活動を通した学びの共同体の構築と有効性: 外国語大学における学びの可能性を考える」2024

    • 著者名/発表者名
      吉田真美、中山智子、南博史、河上幸子、島村典子、梶川裕司
    • 学会等名
      京都外国語大学・京都外国語短期大学 2023年度冬季FD研修会
  • [学会発表] 「社会に融合できる総合力をもった人材育成にむけた提案~福井県越前町フィールドミュージアム活動を通して」2023

    • 著者名/発表者名
      南博史
    • 学会等名
      大学コンソーシアム京都第28回FDフォーラム『社会と融合する大学教育のかたちを考える』FDフォーラム第10分科会
  • [学会発表] 「パブリック・ヒストリーとは何かー地域に活きるアカデミズムー」2023

    • 著者名/発表者名
      河上幸子
    • 学会等名
      日本カナダ学会第48回年次大会
  • [図書] 科研報告書「複言語・複文化活動を通した学びの共同体の構築と有効性」2024

    • 著者名/発表者名
      吉田真美、南博史、中山智子、河上幸子、島村典子、梶川裕司
    • 総ページ数
      170
    • 出版者
      京都外国語大学
  • [図書] 「移民と観光:和歌山県アメリカ村とルーツ・ツーリズム」 権京仙・具知瑛・金潤煥 編著『東アジア海域の移住と社会』2023

    • 著者名/発表者名
      河上幸子
    • 総ページ数
      24
    • 出版者
      図書出版
    • ISBN
      9791160688153
  • [図書] 「2022年度(第3回)CEP美浜町 成果報告書」2023

    • 著者名/発表者名
      河上幸子
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      京都外国語大学グローバル観光学科

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi