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2023 年度 実施状況報告書

古代東地中海沿岸域における民主政型言論文化と王政型言論文化の往還とその中継文化

研究課題

研究課題/領域番号 20K00912
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 秀樹  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80236306)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード西洋史 / 西洋古典学 / 古代ギリシア / 古代エジプト / 神話学 / 叙事詩 / イーリアス / 言論文化
研究実績の概要

令和5年度は、コロナ感染症の影響が低減したため、海外での調査活動の一部を実施することができた。具体的には、アイルランドの博物館(アイルランド国立博物館(考古学館)内キプロスコレクション)の調査を行った。しかし、キプロスの博物館での調査、同地の遺跡調査、ノルウェーの博物館(コンティキ号博物館及び歴史博物館(オスロ))での調査(以上は、令和2年度に予定しており、コロナ感染症の影響のため実施できなかったもの)、エジプトの考古学博物館、ルクソール博物館、ドイツのペルガモン博物館、旧国立博物館、キプロスの遺跡,博物館での調査が実施できなかった。
他方、テクスト群の分析(オープンディスカッション運用のありかたを対話テクストの分析によって明らかにし、民主政型言論文化と王政型言論文化を比較する)は順調に進んだ。
古代ギリシア語テクストとしては、伝ホメーロス作叙事詩『イーリアス』を中心に取り上げ、論文1本の成果を得た。(高橋秀樹、「アキレウスの戦線復帰をめぐる対話~『イーリアス』第XIX書に見る強制(強請)行為~」、単著、『資料学研究』第21号、2024年、pp.1-23、査読有。)古代エジプト語テクストとしては、『雄弁な農夫の物語』を中心に分析を進めた。
上記と並行して、海上交易路について海洋人類学の成果を踏まえた文化的往還について、先行研究の精査を中心に文献研究を行った。
それぞれの文明に特徴的な思考方法や論理構成について、図像的嗜好や図像的表象と連動して分析する研究活動については、美術史的知見を整理しつつ、図版写真資料等を活用して研究を進めた。
また、昨年度に引き続き、英雄叙事詩にみられる意思貫徹過程の比較研究対象として重要な、日本の『平家物語』について、僉議場面の分析、また現代に残る演誦実態の調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初設定していた3年間の研究期間について、コロナ感染症拡大のために、十分に活動できなかった(特に海外での調査活動)。これを補うため研究期間を延長し、当初の目的を遂行していきたい。

今後の研究の推進方策

令和2~4年度にコロナ感染症のために実施できなかった海外での調査活動(キプロス、ノルウェー、ドイツ、エジプト)を、順次実施していきたい。
現地調査と連携して、遺物・図像史料の分析と文明交流の環境・条件の考察を進める。これらと並行して、文献研究及びテクスト群の分析を進める。令和5年度
は、古代ギリシア語テクストについては『イーリアス』『オデュッセイア―』を分析対象とし、古代エジプト語テクストについては、これまで扱ってきた分析成
果をまとめたい。
また、言論文化に関する新たな比較分析対象として日本の『平家物語』を取り上げていきたい。
令和6年度中に少なくとも1本の論文(査読有)を発表したい。

次年度使用額が生じた理由

予め予定していた研究期間について、コロナ感染症の影響のため、海外での調査活動ができなかった。具体的には、キプロスの博物館での調査、同地の遺跡調査、ノルウェーの博物館
(コンティキ号博物館及び歴史博物館(オスロ))での調査、アイルランドの博物館(アイルランド国立博物館(考古学館)内キプロスコレクション)での調査、エジプトの博物館と遺跡での調査、ドイツの博物館での調査が実施できなかった。
令和5年度から順次実施しているが、3年分の調査を令和5年度だけで完遂することは難しかった。上記計画を順次実行し、経費を執行していきたい

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] アキレウスの戦線復帰をめぐる対話 ~『イーリアス』第XIX書に見る強制(強請)行為~2024

    • 著者名/発表者名
      髙橋 秀樹
    • 雑誌名

      資料学研究

      巻: 21 ページ: 1,24

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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